
【業務や機能ごとに解説】HubSpotの選び方!無料プランと有料プランの違いをご紹介
社内のデジタルマーケティングを強化するべく、HubSpotの導入を検討している会社も多いのではないでしょうか。
しかし使える機能の多さから、「活用が難しそう」「どれを導入したらいいのかわからない」とお悩みのマーケティングご担当者様もいるでしょう。
HubSpotには有料プランだけでなく無料プランもあります。金銭的な負担を抑えたい方は無料プランの導入を検討されているでしょうが、無料・有料にはどんな違いがあるのでしょうか。
今回は業務内容や使える機能に焦点を当て、「無料プラン」「有料プラン」それぞれでできること・できないことをご紹介していきます。
HubSpotの無料プラン、有料プランの差とは?
HubSpotの無料プランは、初めてCRMを導入する企業やリソースが限られた中小企業にとって非常に有用です。基本的なコンタクト管理、メールマーケティング、レポート機能を備えており、コストを抑えつつマーケティングや営業の基盤を整えることができます。
しかし、無料プランにはいくつかの制約があるため、ビジネスの成長やニーズの多様化に伴って限界を感じることも少なくありません。例えば、コンタクト数の上限やメール送信数の制限、カスタマイズできるテンプレートの数が限られていることが挙げられます。
また、より高度な自動化機能や分析ツールが必要な場合、無料プランでは対応しきれないことがあります。このような状況では、HubSpotの有料プランへのアップグレードを検討することが重要です。有料プランでは、より豊富な機能と拡張性が提供され、カスタマーエクスペリエンスの向上や営業プロセスの効率化を実現できます。さらに、専用のサポートやトレーニングを受けられるため、HubSpotを最大限に活用するためのサポート体制も整っています。
したがって、ビジネスの規模や目的に応じて適切なプランを選ぶことが何よりも重要なのです。
無料と有料の違い 〜Marketing Hub編〜
HubSpotの導入を検討する際、特に気になるのが料金だと思います。HubSpotは無料プランでも使える機能が多いため、最初は無料から始めても良さそうです。
とはいえ無料プランでは制限があったり、できないことが多いのも事実。有料になるとどれだけのことができるようになるのでしょう。以降ではそれぞれの違いについてご紹介していきます。
Webページを運用する上での違い
HubSpotの導入にあたり、LPやブログの制作を行おうと考えている方もいるでしょう。
その際に注目しておきたいのがロゴの有無です。無料プランですとロゴが表示されてしまいますが、有料プランであればその表示を削除することができます。
またロゴの表示だけでなく、LPの作成件数やEメールの送信件数、ブログの掲載記事数などもプランごとに異なってきますので、そこにも着目して自社にとって望ましいプランを検討してみましょう。
ランディングページ | 無料 | 有料 |
---|---|---|
ロゴ | 削除不可能 | 削除可能 |
掲載数 | 最大20件 | 最大10,000件 |
Eメール マーケティング |
無料 | 有料 |
---|---|---|
ロゴ | 削除不可能 | 削除可能 |
Eメール送信件数 (月あたり) |
2,000件 | マーケティングコンタクト契約数の最大20倍 |
ブログ | 無料 | 有料 |
---|---|---|
ロゴ | 削除不可能 | 削除可能 |
記事数 | 最大100件 | 最大10,000件 |
CTA作成についての違い
Marketing Hubでは、ウェブサイトの訪問者をコンバージョンポイントに誘導させるための”埋め込みCTA”と”ポップアップCTA”を作成することができます。
CTAの作成については、大きく分けて四角ボタン、テキストリンク、バナー画像の3種類に分類されますが、無料プランでは画像を使ったCTAを作成することはできません。
ウェブサイト内にバナー画像を設置してメリットを訴求させたい方は、有料プランを導入するのがおすすめです。
CTAの作成 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
画像を使った CTAの作成 |
できない | できる |
SNS連携によるチーム業務の効率化の違い
ウェブサイトの集客を図るためにSNSの運用に力を入れる企業も増えているでしょう。有料プランであればHubSpot上でもSNSの運用・管理を行えるのです。
予約投稿やレポートの自動更新ができるようになりますので、手動での作業を大幅に減らすことができ、業務の効率化に繋げられます。
運用の違い | 無料 | 有料 |
---|---|---|
できること |
各SNSへのログイン、投稿内容の下書き保存や投稿、前月分のデータのエクスポートや集計、報告用の資料作成などを手動で対応 |
各SNSでの投稿の予約、投稿、レポートの自動集計、報告用の資料はレポートのURLを貼り付けるだけの自動で対応 |
SNS媒体を並行して運用できるだけでなくアカウントごとに分けて管理することも可能です。
取り扱っている商品ごとにアカウントを分けても良いですし、人財系であれば集客と採用で分けても良さそうですね。
レポート機能で集計作業を自動化できたり、投稿の効果を比較・分析できたりもしますので、上手に活用してコンテンツの改善に力を入れていきたい方にもおすすめです。SNSの運用を強化してウェブサイトへの集客を強化していきましょう。
無料と有料の違い 〜Sales Hub編〜

SFA(営業支援ツール)、そしてCRM(顧客管理ツール)と近い機能も持ち合わせているSales Hub。営業活動の支援に特化しており、獲得したリードに対して的確な働きかけを行うことで商談へと導きます。営業活動のサポートとして便利なSales Hubですが、無料と有料ではどのような違いがあるのでしょうか。
ミーティング設定の違い
日程調整などのやり取りで何かと手間がかかるミーティングの設定。予約可能な時間帯を確認したり、予約リンクを顧客と共有できたりするSales Hubでは、手間のかかる日程調整もEメールのやり取りなしに行えるのです。ただ、無料ですと最大1件の個人ミーティングしか調整できずロゴも削除できないため、その点が気になる方は有料プランをおすすめいたします。
ミーティングの設定 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
件数 |
最大1件までの 個人ミーティング |
個人およびチームのミーティング(1,000件まで) |
ロゴ | 削除不可能 | 削除可能 |
Eメールテンプレートの違い
顧客に送るメールに関しても、繰り返し利用するものや汎用性の高いものはテンプレート化しておきたいですよね。Sales Hubでは、効果的なEメールを保存して繰り返し使うためのテンプレート機能を備えています。チームでの共有も可能ですので、顧客からの問い合わせに一貫性を持って迅速に対応することができます。
無料プランでは最初に作成した5件しか使用できないため注意が必要です。
Eメールテンプレート | 無料 | 有料 |
---|---|---|
件数 |
アカウントあたり最大5件まで。※表示・使用できるものは最初に作成した5件のみ。 |
アカウントあたり最大5,000件まで。 |
コールの違い
HubSpotが提供する電話番号を使用することで、HubSpotアカウントからのコール業務が可能となります。発信通話をかけたり着信通話を受けたりするのはもちろん、個人用デバイスに転送することも。通話内容は録音され、HubSpotデータベースに自動的に記録されます。こちらは有料プランのみのツールですので、コール機能をつけたい方は有料プランを導入しましょう。
コール | 無料 | 有料 |
---|---|---|
サービス | なし |
アカウントあたり月に最大12,000分の通話 |
無料と有料の違い 〜Service Hub編〜

せっかく顧客を獲得したのなら、満足度を高めて長期に渡って良好な関係を築いていきたいですよね。そのためにも顧客の抱える悩みには迅速に対応して信頼関係を築くことが大切です。
顧客との関係を深めてビジネスを成長させていくために多彩な機能を備えているのがService Hubです。うまく活用してユーザーニーズにしっかりと応えていきましょう。
以下では、Service Hubに関する無料・有料でできることの違いをご紹介していきます。
共有受信トレイの違い
Eメールやチャットからの問い合わせを共有の受信トレイで管理できる機能です。
多数の顧客からたくさん問い合わせが来たとしてもチーム全員でアクセスできるため、チームで協力して対応にあたれます。
有料プランであれば最大200件まで共有できるため、問い合わせ一つ一つにしっかりと向き合い適切な対応を取りたい方はこちらがおすすめです。
共有受信 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
件数 | 1件の受信トレイに制限される | 最大200件まで可能 |
アンケートの違い
顧客との関係性をより深めていくには製品やサービスに対して必要なフィードバックを募り、結果に応じて改善していくことも大切です。
Service Hubの有料プランではカスタムアンケートのほか、CSAT(顧客満足度指標)、NPS(顧客ロイヤルティー指標)、CES(顧客努力指標)のアンケートからフィードバックを収集できます。本機能は有料プランのみですので、コンテンツを改善しながら調整していきたい方は有料プランを導入しましょう。
カスタムアンケート | 無料 | 有料 |
---|---|---|
サービス | なし |
100件まで可能。 質問数は無制限。 段階評価、ラジオボタン選択、自由回答なども使用可能。
|
顧客フィードバックアンケート | 無料 | 有料 |
---|---|---|
サービス | なし | NPSアンケート50件、CESアンケート50件、CSATアンケート100件 |
チャットボットの違い
ボットを使ってチケットを作成。訪問者に対して的確なサービス担当やナレッジベース記事を紹介していく機能です。ウェブチャットの効率を改善していくことで1対1のコミュニケーションの質を高めていきます。
チャットボット | 無料 | 有料 |
---|---|---|
サービス |
チケット作成、リード適格判定。ミーティング予約ボットに制限されるため分岐ロジックは利用不可。 |
チケット作成、リード適格判定、ミーティング予約ボット、カスタムボット、カスタム分岐ロジック、高度なターゲティングなど。 |
無料と有料の違い 〜CMS Hub編〜

ウェブサイトの構築や拡大に関する機能が揃っているCRM Hub。
テキスト、画像、レイアウト情報などコンテンツの構成要素を一元的に管理できる機能が備わっているため、導入直後から効果的なウェブマーケティングを実践できます。
ウェブサイトページ作成の違い
ビルトインアセットやエディターを使うことで、編集作業はシンプルなままレスポンシブデザインのウェブサイトページやカスタムページ作成することができます。無料プランでは動的コンテンツの作成ができないため注意が必要です。
Webページの作成 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
件数 | 最大25件。(動的コンテンツは利用不可) | 10,000件のウェブページ+動的コンテンツの作成が可能。 |
ロゴ | 削除不可能 | 削除可能 |
無料と有料の違い 〜Operation Hub編〜

データの同期やアプリ間の連携を簡単に行えるOperation Hubは、セールスやマーケティングのオペレーションなどを行っている部署におすすめのソフト。外部のアプリと連携することでデータの管理が効率的にできるようになり、部門間の連携強化などに役立ちます。
関連付けラベル指定の違い
有料プランであれば、コンタクト、会社、チケットなど標準CRMオブジェクトの様々な部分のカスタム関連付けラベルを作成し、各オブジェクト間の関係を指定することができます。
ラベル指定 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
サービス | なし |
オブジェクト同士、ペア間で最大10件のラベルを指定 (例)コンタクト取引:ラベル10件、会社とコンタクト:ラベル10件など
|
無料プランを活用できる人とは

有料プランは無料プランと比べて使える機能が格段に増えます。だからといって有料プランを導入しても使いこなせなければ宝の持ち腐れです。そこで、無料プランでも問題なく活用できるのはどんな方であるかをご紹介していきます。
ある程度の範囲がまかなえれば良いという方
部署ごとに他社のツールを導入することなく、顧客の管理からセールス、カスタマーサポートまでを一元化し管理できるHubSpot。
各業務を円滑に進めていくために様々な機能を備えていますが、「まずは試しに」「どんなものなのか試してみたい」と導入を迷っている方、または「CRMやMAツールを導入したいけどお金はかけたくないからある程度のことまでで良い」という方は無料ツールでも問題ないでしょう。
実際に導入した上でさらに必要な機能がありましたら上位プランを検討してみるのでも良さそうです。
一定以上の機能を望むなら有料プランの導入を検討するべき
無料でもできることが多いHubSpotですが、無料プランではやはり限界があります。
顧客管理のみできれば無料プランでも問題ありませんが、マーケティングやヘルプデスクの自動化、さらにはSEO対策やA/Bテストなどを活用するためには有料プランでなければ利用できません。
自分の会社や部署にとって必要な機能は何か、何が足りていないかをご自身で把握した上で有料プランの導入を検討していきましょう。
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無料プラン「HubSpot CRM」はどこまでできる?有料プランとの違い&活用ヒント
有料プランを選ぶ方が良い企業の特徴
有料プランを選ぶべき企業には、いくつかの共通した特徴があります。
業務規模が大きく、多くの顧客を持つ
まず、業務規模が大きく、多くの顧客や取引先を抱えている企業は、有料プランの高度な機能を活用することで、効率的な顧客管理が可能です。特に、顧客データの一元管理や自動化されたマーケティングキャンペーンが必要な場合、有料プランは強力なツールとなります。
自社の規模が急速に拡大していっている
次に、急速な成長を目指す企業も有料プランを検討すべきです。成長に伴い、必要となる機能やデータの規模は増大します。例えば、拡張性のあるレポート機能や、複数のチーム間でのスムーズな情報共有は、成長を支える重要な要素です。また、専任のサポートやカスタマイズ可能な機能により、ビジネスの特性に応じた最適な運用が可能になります。
自社のサービス・製品が競争の激しい市場に位置している
さらに、競争が激しい市場において差別化を図る必要がある企業も、有料プランの導入を検討する価値があります。高度な分析機能や、カスタマージャーニーの細かなトラッキングは、競合他社に対する優位性を築くために有効です。競争が激しい領域では、迅速かつ的確な意思決定が求められるため、リアルタイムでのデータ分析や、効率的なコミュニケーション手段が不可欠です。
顧客ロイヤリティを最重視している
最後に、顧客体験を重視する企業も有料プランを選ぶべきです。顧客との長期的な関係構築を目指す企業は、パーソナライズされたサービス提供や、迅速な問題解決を可能にするためのツールを必要とします。有料プランは、顧客満足度を向上させるための強力なサポートを提供します。
これらの特徴を持つ企業は、長期的な視点でビジネスの成長と顧客満足度の向上を図るために、有料プランを選択することが賢明といえます。
自社の活用目的や特徴に合わせ、最適なHubSpotのプランを選定しよう
無料とはいえ使える機能がたくさんあるところがHubSpotの魅力です。有料プランともなればより使える機能も増えてきますが、自社やご自身にとって導入する目的が明確でないと宝の持ち腐れとなってしまう可能性も大いにあるのです。
どのソフトウェアが必要であるか、どのプランが最適であるか見極めたい方はもちろん、デジタルツールの活用に慣れていない方でも大丈夫。
まずは無料プランから操作していき、より効率良く活用していきたくなったら上位プランの導入も検討してみましょう。
▼HubSpotって何?
弊社では、HubSpotを扱ったことがない方向けに『HubSpotの基本情報』をまとめた記事を公開しています。HubSpotとは一体何か、概要を知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
参考サイト:【初心者必見最新版】HubSpotとは?基本情報