
CRMツールはどれがおすすめ?HubSpot、Salesforce、Zohoなど4つの製品の特徴を比較
今後、マーケティングオートメーションに力を入れていくためにCRMプラットフォームの導入を検討されているご担当者様も多いのではないでしょうか。
CRMプラットフォームといえばHubSpotを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
HubSpotはCRMをベースにSFA(営業支援)やMA(マーケティングオートメーション)機能なども掲載されており、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど部門間の業務の連携を強化させたいという方にとって非常に導入しやすいCRMプラットフォームです。
HubSpotのほかにも、SalesforceやZoho、Zendeskなど様々な商品がありますが一体どれを導入すれば良いのでしょう。
そこで今回は、料金・機能面・使いやすさにフォーカスしながらそれぞれの特徴をご紹介していきます。
(1)Salesforce

世界で185,000社以上の採用実績があり、日本でも約6,000社が導入しているSalesforce。
世界トップクラスのシェア数を誇るCRMツール『Salesforce』の特徴をみてみましょう。
Salesforceの値段について
メインとなる『Sales Cloud』の料金プランは、Essentials・Professional・Enterprise・Unlimitedの4種類です。各プランによって使える機能に差があります。
・Essentials:3,000円(ユーザー10名までのCRM)
・Professional:9,600円(あらゆる規模のチームに対応できるCRM)
・Enterprise:19,800円(自社に合わせて細かくカスタムできるCRM)
・Unlimited:39,600円(機能・サポート面が無制限のCRM)
※金額は月ごとの費用です。
機能面で選ぶならカスタマイズ性が優れているSalesforce
Salesforceはカスタマイズ性に優れている点が魅力のCRMです。特にレポート・ダッシュボードでは、タスクやファイル、パイプライン、グループ、見積もりなどに優先順位をつけ、テーマ別に表示・管理することが可能となります。
あらゆる情報を見える化できるだけでなく、担当者やグループごとに表示レベルを変えることもできますのでタスクの自動化という面でも優れています。CRMの機能面ではHubSpotよりもSalesforceのほうがアドバンテージがありそうです。
導入やメンテナンスには専門知識が必要
自社の目的に合わせてカスタマイズできる点では優れていますが、導入やメンテナンスなどはしっかりとトレーニングを受けた経験豊富な担当者でなければ難しいのも事実。理想的なカスタマイズをしてうまく運用していくまでには時間がかかってしまうため、注意が必要です。
なお、契約価格20%分の追加料金を払えば24時間365日体制のPremierサポートを利用することができます。また、日本語でアクセス可能なオンラインコミュニティも多数ありますので、ユーザー間でのサポートも充実しているといえるでしょう。
導入のしやすさという点はHubSpotとの大きな違いでしょう。少ない工程で時間をかけずに活用していきたい方はHubSpotのほうが良さそうです。
Salesforceを導入するべき企業について
機能面で非常に優れているSalesforceですが、やはり”使いやすさ”は気になるところ。規模感の小さな企業よりも、SFAやCRMツールの導入経験がある企業、もしくは専任の運用担当者を配置できる企業におすすめです。
社内ルールやワークフローの整備ができている、さらには現状で顧客情報などのデータを一元管理しているような企業が良さそうです。
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/
(2)Zoho CRM

顧客管理(CRM)と営業支援(SFA)のどちらのツールも備えているZoho CRM。顧客の管理やサポート業務、マーケティングなどプランごとに豊富な機能が揃っているにも関わらず、低コストで利用できる点が魅力の製品です。
Zoho CRMの値段について
クラウド型のCRMは、自社のビジネスモデルや目的に合わせて構築すると100万円前後かかってしまうのが一般的。しかしZoho CRMは誰でも簡単に設定できるため、開発コスト0を目指しているユーザーも多数いるのです。以下では4つの料金プランをご紹介しています。
・スタンダード:1,680円(シンプルに始めたい方向け)
・プロフェッショナル:2,760円(本格的に活用したい方向け)
・エンタープライズ:4,800円(とことん使い倒したい方向け)
・アルティメット: 6,240円(より大容量で活用したい方向け)
※金額は月ごとの費用です。
MA機能だけでなくSFA機能も掲載されている
Zoho CRMは顧客情報の一元管理だけでなく営業支援にも対応しています。CRMに登録された顧客情報をもとにリードの収集や分析を管理。マーケティング活動を支援すると同時に、商談の進捗状況といった営業面もサポートしてくれます。
スマホやタブレットで利用できるモバイルアプリ版も展開されていますが、レポートの詳細を表示できなかったり複数単語で検索できないといったデメリットもあげられます。(※ブラウザからアクセスした場合はすべて利用可能となります)
マーケティングやセールスなどそれぞれ別のツールとして確立しているHubSpotと比べ、Zoho CRMは同じツール内にMA・SFA機能が掲載されている点が大きな違いです。1つのツールで完結したい企業にとっては、複数ツールを導入しなくて良いZoho CRMの方が適しているでしょう。
低コストかつ直感的な操作が魅力的!ITに疎い方でも導入しやすい
Zoho CRMの特徴の一つに管理画面の使いやすさがあげられます。直感的なデザインやわかりやすいナビゲーションにより、CRMの導入が初めての方でも簡単に操作を覚えられるでしょう。機能やデータの追加といったオプションの費用はかからず、ライセンス費を払えば初期費用も発生しません。明朗会計な点も安心して導入できるポイントです。
HubSpotとZoho CRM、どちらも直感的な操作が可能なためITリテラシーが低めな方であってもスムースに導入できるでしょう。Zoho CRMはMAとSFA機能が掲載されていますが、HubSpotはCRMを中心にMAツール、SFAツール、さらにはカスタマーサポートを支援するツールなども足していくことができます。まだ業務支援ツールを導入しておらず、今後も必要なものはどんどん増やしていきたいという方はHubSpotがおすすめです。
Zoho CRMを導入するべき企業について
大手と比べても引けを取らないCRM・SFAツールを持っているにも関わらず、コストの低さが魅力的。資金やリソースが限られているベンチャー企業、さらには中小企業でも負担を少なく導入できるでしょう。高額な費用をかけずに業務の一元化を目指している企業はぜひ検討してみてください。
公式サイト:https://www.zoho.com/jp/crm/
(3)Zendesk
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Zendeskは、カスタマーサポートとサービスの管理を効率良く行うためのツールです。デンマークの企業が開発し、140カ国以上の企業で導入されています。
サービスは大きく分けて2種類。カスタマーサポートに対応した「Zendesk for service」と営業支援に対応した「Zendesk for sales」です。
Zendeskの値段について
「Zendesk for service」「Zendesk for sales」それぞれの料金は以下の通りです。
▼Zendesk for service 〜ベーシック〜
・Suite Team:49ドル(約7,300円)
・Suite Growth:79ドル(約11,800円)
・Suite Professional:99ドル(約14,800円)
▼Zendesk for service 〜エンタープライス〜
・Suite Enterprise:150ドル(約22,400円)
※金額は月ごとの費用です。 (2023年9月現在)
▼Zendesk for sales
・Team:19ドル(約2,800円)
・Growth:55ドル(約8,200円)
・Professional:115ドル(約17,100円)
※金額は月ごとの費用です。(2023年9月現在)
カスタマーサポートに力を入れたいならZendesk
Zendeskのミッションは、複雑なビジネスプロセスを簡潔化することで企業と顧客の繋がりを支援することです。主に顧客満足度の向上を目的としている「Zendesk for service」では、メールの他にも電話対応やAIチャットボットなど様々なチャネルでのサポートを提供。問い合わせのツールが違くても、それぞれのやり取りを顧客ごとに管理しているため、担当者間での伝達ミスなども防ぐことが可能に。過去の問い合わせ内容や過去のやり取りを1つの画面内で共有できますので、クレーム等にもスピーディーに対応することができます。
営業活動の支援を中心としている「Zendesk for sales」では、CRM機能やセールスフォースオートメーション、リード管理といった機能を提供。顧客との電話・メール対応、商談スケジュール、過去のやり取りなどが一元化されることで取引に集中でき、事務作業の手間を軽減することができます。
CRMを中心にマーケティングやセールス機能を提供しているHubSpotと比べ、カスタマーサポートに特化したサービスを提供しているZendesk。マーケティングやセールス業務に力を入れていきたい場合にはHubSpotがおすすめです。
API・アプリ連携など柔軟にカスタマイズできる
Zendeskは他アプリとの連携もスムーズにできるため、FacebookやMessenger、LINE、TwitterといったSNS周りもダイレクトに効果の向上が期待できます。 自社で伸ばしていきたい、強化していきたい媒体と合わせて機能を拡張していきましょう。
使える機能の多さから「うまく使いこなせない」と悩まれるかもしれませんが、操作方法自体はわかりやすく設定されていますので、担当者にしっかりと教育しておくことが大切になりそうです。
Zendeskはアプリ連携やAPIなどのカスタマイズ性に優れているCRMツールです。一方、HubSpotはカスタマイズ性という面では限られているところもあるため、ご自身でカスタマイズして運用していきたいという方はZendeskが良さそうです。
Zendeskを導入するべき企業について
顧客情報の管理を一元化させたい、カスタマーサポートの質を高めていきたいという企業にとっておすすめのツールです。顧客と長くお付き合いしていくためにも、カスタマーサポート面で悩みを抱えている方はぜひZendeskの導入をご検討ください。
公式サイト:https://www.zendesk.co.jp/
(4)kintone CRM

サイボウズ社が提供しているクラウドサービス、kintone(キントーン)。プログラミングの知識がない方でも、自社に必要な業務システムに合わせて必要なアプリを手軽に作れる点が大きな魅力の一つです。CRMに特化せず汎用的なサービスをまかなえるため、どのような業種の方であってもIT企業に依頼することなく必要なアプリを作成できます。
kintone CRMの値段について
自作でアプリを作ること以外にも、運用費の安さも特徴的。1ユーザーあたり月額1,500円、年間17,640円とコストを抑えながら活用していくことができます。
▼スタンダードコース:1,500円
▼ライトコース:780円
※金額は月ごとの費用です。
ドラッグ&ドロップで手軽にアプリを作成
プログラマーがいなくても、専門的な知識を持っていなくても大丈夫。 kintoneには雛形として100以上ものアプリのサンプルがあるため、開発の知識を持ち合わせたメンバーがいないチームであっても、ドラッグ&ドロップのみでオリジナルのアプリを作成することができます。ExcelやCSVファイルもアプリにできてしまうのです。アプリの作成に力を入れていきたいという方はkintoneがおすすめといえるでしょう。
低価格のためコストを抑えて導入できる
誰でも簡単に、なおかつ安価にアプリを作れるkintoneですが、拡張機能ごとに料金がかさむため導入費自体は安くても注意が必要です。多くの拡張機能を使うことでコストがかさんでしまいます。
例えばSalesforceとの連携も可能ですが、MAサービスを利用するための連携で初期費用や月額の維持費がかかってしまいます。安価でCRMを活用できると思っていても高額になってしまうので気をつけましょう。
kintoneはHubSpotとも連携することができます。上述にようにMAとの連携も考えている、もしくは重要視しているのであればHubSpotを導入した方が良いでしょう。
kintoneを導入するべき企業について
アプリの作成のみならず、社内データの一元管理も強みとしているkintone。部門や部署を超え、データを共有しながら作業していくような企業におすすめのツールです。特にメンバーが5名以下の小規模なチームや企業であれば、年間の利用費用を10万円以下に抑えながら業務の効率化を目指せます。
コストパフォーマンスに優れる一方、顧客情報を活用したマーケティングオートメーションの施策などには不向きかもしれません。MAを強化させていきたい方は、HubSpot等、CRMやMAツールの導入を検討してみるのが良さそうです。
公式サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
自社に最適なCRMを導入!
今回はHubSpotのご紹介に加え、もSalesforce、Zoho、Zendesk、kintoneの特徴もご紹介いたしました。それぞれに強みやデメリットがありますので、今後どの方面を強化していきたいのか、また企業の規模感も意識しながら自社にとって最適なツールをお選びください。
ビジネスプラットフォームを活用してデータや業務の一元化を図りたいものの、コスト面や運用方法に不安がある方にはHubSpotがおすすめでしょう。UIもわかりやすく設計されていますし、全ツールに無料プランがありますのでまずは試しに導入してみてはいかがでしょうか。
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HubSpotの基本情報や特徴、できることについてまとめた記事なども公開しています。導入を検討されている方でメリット等を知りたいという方は、下記記事もぜひご一読ください。
参考サイト:【初心者必見最新版】HubSpotとは?基本情報
参考サイト:HubSpotで何ができる?機能と使い方を徹底レクチャー
参考サイト:HubSpotでできることと、その強み