
BtoBマーケティングに欠かせないホワイトペーパーとは?作成手順や参考事例を徹底解説!
ホワイトペーパーは、BtoB領域のWebマーケティングにおいて多くの企業で活用されています。そのため、自社でも導入を検討しているものの、「ホワイトペーパーの特徴は?」「作成にあたって、何から始めればよいのか」とお考えのマーケティングご担当者様もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、ホワイトペーパーの基礎知識から作成手順、ダウンロード数を増やすためのポイントまで詳しく解説します。この記事を参考に、ホワイトペーパーの作成に取り組んでみてください!
BtoBマーケティングの施策として有効なホワイトペーパーとは?
作成手順やダウンロード数を増やすためのポイントの前に、まずは概要や役割を見ていきましょう。ここでは、ホワイトペーパーの概要とその役割、企業が得られるメリットを紹介します。
ホワイトペーパーの概要
ホワイトペーパーとは、特定の製品やサービス、業界の課題について詳細に解説する文書のことを指します。言い換えると、お役立ち情報をまとめた資料のことです。
ホワイトペーパーをお役立ち情報として自社のWebサイトに掲載し、閲覧希望者は企業名・氏名・メールアドレスなどの個人情報を入力することでダウンロードできるようになります。他のマーケティング施策と比較すると、より効果的にリードを獲得できるため、近年はホワイトペーパーを活用する企業が増加傾向にあります。
なお、ホワイトペーパーの本来の意味は“政府が発行する公的な書類”です。しかし、マーケティング業界においては、潜在客や見込み顧客、既存顧客の課題を解決するための方法を提示しつつ、自社の商品・サービスを宣伝する際に活用する資料のことを意味します。
ホワイトペーパーの役割はリード獲得への活用
ホワイトペーパーの主な役割は、リード獲得(リードジェネレーション)です。ホワイトペーパーは、誰でも自由にダウンロードできるよう、自社のWebサイト上に専用のページを設けて公開するスタイルが一般的です。その際に、企業名や氏名、メールアドレス、電話番号などを入力してもらうので、リード獲得につなげられます。自社や自社の商品・サービスに一定の興味関心があると予測されるため、良質なリードを集められるというわけです。
昨今のデジタル化やコロナ禍の影響により、BtoBにおける顧客の購買プロセスは変化しています。商談に至るまでに積極的に情報収集を行う傾向が強まっているため、ホワイトペーパーを活用しない手はありません。

ホワイトペーパー施策が企業にもたらす代表的なメリット
ホワイトペーパーを施策として実施すると、企業はリード獲得以外にもさまざまなメリットを得られます。
- リード育成(リードナーチャリング)
- 営業資料としての活用
- 顧客満足度の向上
- ブランドイメージの形成
獲得したリードをもとにコンタクトを取ることで、見込み客との関係強化を図れます。その結果、商談のきっかけが生まれやすくなり、受注確率アップにつながる可能性があります。また、ホワイトペーパーには有益な情報がまとめられているため、必要な箇所をピックアップして、営業資料に反映させれば資料作成の工数を削減することもできます。あらゆる資料で同じ内容を伝えることによって、メッセージに一貫性を保てるのもよいでしょう。
ホワイトペーパーは新規のリード獲得だけでなく、既存顧客に対しても効果的です。顧客が抱える課題に対する解決策を提示するお役立ち資料や業界動向、アンケート調査、商品・サービスの導入事例などの情報を提供し続けることで、顧客満足度の向上も見込めます。
さらに、特定のテーマに関するホワイトペーパーを公開し続けることで、「⚪︎⚪︎といえば、△社」といったブランディングにも寄与します。
ホワイトペーパーの代表的な種類
ホワイトペーパーとひと口に言っても、見込み客の検討フェーズによっていくつかの種類に分けられます。
興味関心層(潜在・認知層)向け | ガイドブック型 | 特定の内容を初心者向けにまとめている |
---|---|---|
テンプレート型 | テンプレートやセルフチェックリストをダウンロードできる | |
課題認識層(顕在層)向け | 課題解決型 | ターゲットの課題に触れたあとに、商品・サービスを紹介する |
導入事例型 | 商品・サービスの活用事例や効果を詳しく紹介する |
ここでは、検討フェーズごとにホワイトペーパーの種類を紹介します。
興味関心層(潜在・認知層)向け
まず紹介するのは、自社に関連する情報に何らかの興味関心を持っているものの、具体的なニーズや検討状況がわかっていない興味関心層(潜在・認知層)向けのホワイトペーパーの種類です。
種類①入門書となる、ガイドブック型
ガイドブック型は、特定の内容を初心者向けにまとめたホワイトペーパーです。業界知識やトレンドをほとんど知らない状態から、ある程度理解できる状態までターゲットの知識レベルを引き上げられます。
たとえば、オウンドメディアの運用代行サービスを提供している企業であれば、「オウンドメディアとは?効果や外注先の選び方を紹介」「SEO対策のためにオウンドメディアを運営するメリット」といったテーマで、ガイドブック型のホワイトペーパーを作成できます。
ガイドブック型では、専門用語はできるだけ使わずに、わかりやすい言葉や説明を用いて記載することが大切です。
種類②ダウンロードして利用してもらう、テンプレート型
テンプレート型では、業務ですぐ活用できるよう、ExcelやPowerPointで使えるテンプレートやセルフチェックリストをホワイトペーパーにまとめています。ダウンロードしたターゲットが直接書き込んだり、カスタマイズして使用したりすることを想定しています。
テンプレート型の場合、すぐに自社サービスの導入に至らなくても、自社が解決できる悩みを抱えているユーザーを取り込める可能性があります。サービス導入のメリットを少しずつ伝えることによって、将来的に顧客まで育成できるチャンスが生まれるでしょう。
課題認識層(顕在層)向け
ホワイトペーパーの種類としては、自社の課題を認識している課題認識層(顕在層)向けもあります。
種類③自社サービスの紹介につなげる、課題解決型
課題解決型では、ターゲットの課題について解決策を提示したあと、自社サービスの特徴や機能を紹介します。ノウハウや知識、経験をまとめ、ユーザーが抱えている悩みを解決することを目的としています。自社の専門性をアピールしつつ、満足度を高めることが可能です。
課題解決型のホワイトペーパーを営業資料として活用したり、ダウンロードしたユーザーにセミナーの案内やメルマガを配信したりして、関係強化を図ることもできます。
種類④導入事例や成功事例を具体的にまとめる、導入事例型
導入事例型は、導入前の課題から導入に至るまでの経緯や、商品・サービスを通して得られた結果、今後の展望などをまとめたホワイトペーパーです。
商品・サービスを比較検討している段階のユーザーは、活用事例や効果をより詳しく知りたいと考えています。そのため、導入事例型のホワイトペーパーを通じて、導入による具体的なイメージを持ってもらえれば、リードの確度を高められます。
作成時には、商品・サービスを実際に利用している顧客にインタビューを実施し、その情報を掲載するとよいでしょう。
ホワイトペーパーを作成する4ステップ
ホワイトペーパーの作成にいきなり取りかかると、内容にブレが生じて効果的なものを作れません。基本的には、下記のステップにしたがって進めましょう。
- 社内でヒアリングを行う
- 目的と課題を設定する
- ターゲットを決める
- ライティング・デザインを決定し、制作する
ここからは、ステップごとに具体的に何をすればよいのかを解説していきます。

ステップ①社内でヒアリングを行う
ホワイトペーパーを作成するにあたって、まずは社内でのヒアリングを実施しましょう。このプロセスにより、プロジェクトの目的やターゲット、主要なメッセージを明確化できます。
最初に、関係する部署やチームのメンバーとホワイトペーパーの目的を明確にするためのミーティングを開催します。このミーティングでは、どのような問題を解決するための内容なのか、どのようなデータやリサーチが必要なのかを議論します。また、ターゲットとする読者層の特性や彼らが直面している課題についての理解を深めることも重要です。
次に、社内の専門家からのフィードバックを集め、彼らの知識や経験をホワイトペーパーに反映させるために活用します。さらに、競合他社のホワイトペーパーを分析し、差別化するためのポイントを探ることも有効です。
このように、社内でのヒアリングをしっかりと行うことによって、読者にとって価値ある内容を提供できるホワイトペーパーの基盤を築けます。
ステップ②目的と課題を設定する
社内でのヒアリングが完了したら、ホワイトペーパーを作成する目的と、自社の商品・サービスが解決できる課題を決めます。
作成の主な目的が、“リード獲得”“リード育成”“クロージングのうち、いずれなのかを明確にしたうえで、ホワイトペーパーを作成しましょう。続けて、ターゲットが直面している具体的な課題を特定します。これには、業界のトレンドや市場の変化、技術的な問題点などが含まれるかもしれません。これらの課題をはっきりとさせることで、ホワイトペーパーが提供する価値をより差別化することができます。
ステップ③ターゲットを決める
続いて、ホワイトペーパーの読者となるターゲットを決定します。
ターゲットを決める際は、まず自社の商品・サービスがどのような課題を解決するのかを再確認し、どのターゲットにもっとも刺さるのかを見極めます。業種や企業規模、役職、地域などでセグメントし、より絞り込んだターゲット像を描くことが重要です。
ターゲットの設定では、人物像として具体的に想定することでユーザーとしての悩みや課題が具体的になります。その結果、ホワイトペーパーの訴求力が高まり、ユーザーの求める情報とホワイトペーパーとの一致率が上がるはずです。
ステップ④ライティング・デザインを決定し、制作する
ターゲットが決まったら、いよいよライティング・デザインを行います。
ライティングでは、構成を明確にし、専門的な情報をわかりやすく伝えることが求められます。具体的には、導入部で問題提起を行い、詳細な情報やデータを用いた解決策を提示します。結論部では、要点を再確認し、読者に行動を促すメッセージを付け加えましょう。
デザイン面においては、視覚的に引きつけるレイアウトを考えます。見出しを効果的に使い、情報の流れをスムーズにすることが重要です。また、グラフや図表を適切に配置することで、データを視覚的に理解しやすくなります。フォントや色使いもブランドイメージに沿ったものを選び、統一感を持たせることが大切です。
最終的なチェックでは、誤字脱字や情報の不整合がないか、また、デザインがスマートフォンなどの異なるデバイスでも見やすいかを確認しましょう。これらのステップを丁寧に進めることで、読者に価値あるホワイトペーパーを提供できます。
ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすためのポイント
どんなに良いホワイトペーパーを作成しても、ダウンロードしてもらえなければあまり意味がありません。ダウンロードを促すには、以下のポイントを押さえましょう。
- ダウンロードするハードルを下げる
- タイトリングを工夫する
- 価値のある情報を惜しみなく提供する
- ターゲットにマッチする企画で構成する
ホワイトペーパーの効果を最大化するためにも、これら4つのポイントを意識してみてください。
ポイント①ダウンロードするハードルを下げる
ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすには、ユーザーがダウンロードに至るまでのハードルを下げることが重要です。
効果的な方法としては、入力フォームの簡略化があります。企業名や名前、メールアドレスといった必要最低限の情報だけを求めることで、ユーザーは手間を感じずにダウンロードを進められます。また、フォームのデザインもシンプルで直感的なものに設定し、プルダウン項目を設置することなども有効です。

ポイント②タイトリングを工夫する
ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすうえでは、魅力的なタイトルを考えることも欠かせません。
タイトルは読者の興味を引き、クリックを促す最初の接点です。具体性があり、ターゲットのニーズや問題解決に直接関連するキーワードを含めるとよいでしょう。なお、製品名やサービス名を入れると売り込みの印象が強くなり、敬遠されてしまうため注意が必要です。過度に専門的になりすぎず、誰でも理解できるような言葉を選ぶことも大切です。
ポイント③価値のある情報を惜しみなく提供する
ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすためには、読者にとって価値ある情報を提供することも意識しましょう。
たとえば、最新の市場トレンドや成功事例、革新的なソリューションを紹介することで、読者は有益な知識を得られると感じます。また、情報の質だけでなく、見やすく整理されていることも重要です。読み手がすぐに必要な情報を探し出せるように、魅力的なデザインやわかりやすい目次を設けるとよいでしょう。さらに、具体的なケーススタディや統計データを用いると、内容に説得力が増し、読者の関心を引くことができます。
ポイント④ターゲットにマッチする企画で構成する
ターゲットのニーズや興味にしっかりとマッチした企画で構成することも、ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすためには大切です。
まず、詳細なペルソナを設定し、その人物像に対して企画を練り上げます。ペルソナの抱える課題や興味を掘り下げ、それに応えるかたちで情報を提供することが成功の鍵を握ります。たとえば、BtoB企業向けのホワイトペーパーの場合、業界動向や技術的な深掘り、成功事例の分析などが求められることが多いでしょう。消費者向けであれば、トレンド情報や実践的なアドバイスが喜ばれます。
また、企画の段階で競合分析を行い、自社のホワイトペーパーがどのように差別化できるかを考えることも重要です。独自の視点やデータを提供することで、読み手にとって価値のあるホワイトペーパーになります。さらに、ターゲットにとって最適な配信チャネルを選定し、そのチャネルに特化したプロモーションを展開することで、ダウンロード数の向上を図れます。
ホワイトペーパーの参考事例3選

より良いホワイトペーパーを作成するには、いくつか事例を知っておくとよいでしょう。ここでは、ホワイトペーパーの参考事例を3つ紹介しますので、自社で作成する際にお役立てください。
事例①コンテンツ数がとにかく充実しているものづくり企業のホワイトペーパー
はじめにご紹介するのは、変位機やセンサといったものづくりに関連する製品の開発・製造を行っている企業のホワイトペーパーです。特筆すべきは、圧倒的なホワイトペーパーの数です。数百、数千という単位で用意されており、読者目線の要望を日々取り入れながら現在もコンスタントに更新されています。
多種多様な商品を取り扱っている企業は、この企業のように複数のホワイトペーパーを作成することをおすすめします。
事例②ニッチな内容を初心者向けにわかりやすく紹介しているホワイトペーパー
続いてお伝えするホワイトペーパーの事例は、工業用ブラシの開発・製造・販売を行っているメーカーのものです。この企業のホワイトペーパーでは、ブラシの種類や用途を理解できるよう、製造担当者向けにわかりやすくまとめられています。
ニッチな分野ではあるものの、非常にわかりやすくまとめられているため、同じくニッチな製品を扱っている製造業の方には特に参考になるでしょう。
事例③ダウンロードページで内容の一部を公開しているホワイトペーパー
最後にご紹介するのは、MAツールを提供している企業です。この企業では、100以上ものホワイトペーパーが用意されており、どれも潜在的な見込み客のあらゆるニーズを満たすテーマで構成されています。ユーザーが求めているものを探し出せるよう、セグメントでソートできる仕様になっているのも魅力的です。
また、ダウンロードページで中身を一部公開し、ユーザーの心理的ハードルを下げつつ、視覚的な魅力を向上させることでダウンロード数を増やす工夫を凝らしているのもポイントです。
お役立ち情報を詳細にまとめたホワイトペーパーはBtoBマーケティングにおいて必須!
本記事では、ホワイトペーパーの基礎知識をお伝えしたうえで、作成手順やダウンロード数を増やすためのポイントを解説しました。
ホワイトペーパーとは、特定の製品やサービス、業界の課題について詳細に解説する文書のことです。ダウンロードの際に、企業名や氏名、メールアドレス、電話番号などを入力してもらうので、リード獲得につながります。
作成時には、社内ヒアリングを実施したうえで、目的と課題、ターゲットを設定しましょう。ダウンロードを促すために、ダウンロードのハードルを下げたり、魅力的なタイトルを考えたりするといった工夫を凝らすことも大切です。なお、ホワイトペーパーは、自社で制作することも可能ですが、社内に十分な人的リソースやノウハウがない場合は、外注するのも一つの手です。
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