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【完全版】LPOとは?基本情報と実施フロー&ポイント、ツール選定方法を徹底解説

作成者: 森川 美涼|2024年03月22日

ウェブマーケティングの世界では様々な手法が用いられており、中でも「LPO」はコンバージョン(CV)に直結するとても重要な取り組みです。

しかし重要ではあるものの、「どんな施策や対策が必要なのか?」「ツールはどんなものを選べば良いのか?」といった疑問を抱え、なかなか効果的な運用改善を図れていないマーケティング担当者も多いでしょう。

今回はLPOの基本的な疑問の解消から、具体的な取り組み方まで理解できるよう、LPOの基本情報を徹底解説。LPOとは一体何なのか、SEOやEFOとの違い、LPO対策の考え方、LPOツールの選び方などについてわかりやすくまとめました。

本記事を通じてLPOの理解を深め、ご自身のウェブサイトやビジネスにお役立ていただければ幸いです。

LPO(Landing Page Optimization)とは、ランディングページの最適化を意味します。

この最適化とは、例えば訪問者がウェブページを訪れた際に商品を購入すること、メールマガジンを登録すること、資料をダウンロードすることなど“行動を促進させること”を目的としています。

なぜLPOが必要なのでしょう。それはコンバージョン率の向上、またユーザビリティの改善などに効果があるからです。

LPOを行いユーザーが求めている情報やサービスを迅速に提供できれば、彼らの満足度を高め、結果として売上やリードの獲得に繋げられます。訪問者のエンゲージメントが高まれば、コンバージョン率の向上も目指せるでしょう。

ユーザーが目的のページへと容易にたどり着けるようになると、ウェブサイトの離脱率が下がり、長期的にはユーザーのロイヤルティーも高まります。

では、「最適化」とはどんなことをすれば良いのでしょう。

LPOの目的は、ランディングページに訪れた訪問者が目的のアクションを取りやすいように、ページのデザインやコンテンツ、構成などを最適化することです。

具体的にはデザインやコンテンツ、ナビゲーションの改善ユーザー体験(UX)の向上など。訪問者の行動データを元に、ボタンの配置や色、見出しやテキストの書き方、画像の使い方などをテストし、改善していきましょう。

LPOを行う上で重要なのは、LPOは一度設定したら終わりではなく“訪問者の反応を見ながら継続的に最適化を行うこと”です。LPOを成功させるためには利用者の行動を理解し、それに基づいた改善策を継続的に行うことが必要となります。

またLPOは単体で行うものではなく、SEO(検索エンジン最適化)やEFO(エントリーフォーム最適化)といった他の最適化施策と組み合わせて行うことで、より大きな効果を発揮します。

それぞれの手法がどのように違い、どのように連携していくのかを理解することも、LPOをうまく活用するための鍵となります。

LPOはビジネスの成果を最大化させるための重要な戦略となります。

さて、次の章ではこのLPOと、他の最適化手法である「SEO」「EFO」との違いについて解説します。

マーケティングの世界でよく耳にする「SEO」「EFO」
これらは、ウェブサイトのパフォーマンスを最大化させるための重要な手法であり、LPOとも深く関係しています。

SEOは訪問者をウェブサイトへ導き、EFOは訪問者をリードや顧客に変換する役割とそれぞれ別々の目的を持っていますが、共にウェブサイトのパフォーマンスを高めるための大切な要素です。

高いパフォーマンスを達成するためには、これら二つの手法を適切に組み合わせることが非常に重要です。

SEO(Search Engine Optimization)『検索エンジン最適化』の略。ウェブサイトが検索エンジン結果ページで高い位置を獲得するための、戦略とテクニックのことです。

特定のキーワードでのランキングを向上させるために、ウェブサイトの構造を最適化したり、クオリティの高いコンテンツを提供したりすることによって達成されます。

SEOとLPOは、どちらもウェブサイトのパフォーマンスを向上させるための重要な手法ですが、その目的とアプローチには明確な違いがあります。

SEOは主に検索エンジンからのトラフィックを増やすことを目的としており、検索結果での順位を上げるためにサイト全体の構造、コンテンツ、バックリンクなどを最適化します。これにより、より多くの訪問者が自然検索を通じてサイトにアクセスすることを促進します。

一方、LPOはサイトに訪れたユーザーが特定の行動をとるように誘導することを目的としています。これには、ランディングページのデザインやコンテンツを最適化し、訪問者が迷わずにコンバージョン(購入や問い合わせなど)を完了できるようにすることが含まれます。

LPOは、既にサイトに到達したユーザーの行動を改善することに焦点を当てているため、訪問者のニーズに応じた明確なメッセージや、使いやすいインターフェースの提供が重要です。

また、SEOは検索エンジンのアルゴリズムに依存しているため、外部要因の変化に敏感ですが、LPOはユーザー体験の向上に直接的な影響を与えるため、よりコントロールしやすい側面があります。

したがって、SEOとLPOは互いに補完し合う関係にあり、効果的なデジタルマーケティング戦略を構築するためには、両者をバランスよく取り入れることが求められるのです。

EFO(Entry From Optimization)『エントリーフォーム最適化』の略で、入力フォームを改善することで、ユーザーがウェブサイトから離れず購入や問い合わせといったアクションを取れるよう導くことを目的としています。

具体的にはユーザビリティの改善やコンテンツの可読性向上、CTAの設定など。ウェブサイトのデザインや内容を魅力的で使いやすくすることに焦点を当てています。

EFOとLPOは、どちらもコンバージョン率向上を目指す施策ですが、その役割と効果には違いがあります。

EFOは、ユーザーがフォームを通じて情報を送信する際の体験をスムーズにすることを目的とし、フォームのデザインや入力項目の最適化を通じて離脱を防ぎます。これにより、問い合わせや購入といった具体的なアクションを促進します。

一方、LPOはランディングページ全体の最適化を狙い、ユーザーが初めて訪れた際の印象や情報の訴求力を高めます。これには、ページのレイアウト、コンテンツの質、ビジュアル要素の改善が含まれます。

EFOとLPOがうまく組み合わされると、ユーザーがランディングページに訪れてからフォームに入力するまでのプロセスがスムーズになり、全体のコンバージョン率が大幅に向上します。

このように、EFOはLPOの一部として機能し、訪問者が求めるアクションを起こしやすくする環境を整えることで、ビジネスの成果に大きなインパクトを与えます。したがって、両者は互いに補完し合う関係にあり、一貫したユーザー体験を提供するための重要な要素です。

SEOは訪問者をサイトに引き寄せることに、EFOは入力フォームの使いやすくすることに主眼を置いていますが、LPOは“訪問者がランディングページに到達した後の行動を最適化すること(=コンバージョン率を上げること)”に焦点を当てています。

それぞれ異なる視点からウェブサイトのパフォーマンス向上を目指していくため、同時に取り組むことが効果的でありどれも無視することはできません。

それぞれの違いを理解し適切に用いることで、より効率的なマーケティング活動を行えるようになるでしょう。次の章では、これらの手法を踏まえたLPOの施策や対策について解説していきます。

本セクションでは、LPOの施策と対策について、具体的にどのように取り組むべきかについて解説します。

LPO対策は、サイトのコンバージョン率向上に向け、定期的なページの分析・改善を定期的に繰り返す作業となります。具体的には、

  • サイト訪問者の行動を詳細に分析する
  • 得られたデータを基にしたサイトの最適化
  • テストを用いて訪問者の反応の良いレイアウトを比較

の3つの作業を基本として、定期的な分析と改善を図りながら、ページがさらに良くなるよう運用していきます。

LPOの施策と対策の一つとして重要視されるのが、サイト訪問者の行動の詳細分析およびサイトの最適化です。

「ユーザーがウェブサイトをどのように利用しているか」を把握できれば、その情報を元にサイトの改善を行えるようになります。

まずは訪問者の行動を詳細に把握することから始めましょう。
「訪問者はどのキーワードからサイトに来たのか」「どのページで離脱しているのか」といった情報が必要となります。

訪問者の行動を分析するには、『ヒートマップツール』や『アクセス解析ツール』の活用が効果的。ユーザーがサイト内でどのページを訪れ、どの部分に注目し、どのような行動を取っているかを視覚的に把握できるようになります。

訪問者の行動分析より“特定のページを早々に離脱している”ことがわかった場合。
そのページのコンテンツやデザインに問題がある可能性があるほか、ユーザーが求めている情報がすぐに見つからない、使い方が複雑であるなどの理由も考えられます。

どのページを最初に訪問し、次にどのページに移動したのか、そしてどのページで離脱したのかなど、訪問者がどのような動線を辿っているのかを分析してサイトの最適化を行なっていきましょう。

これらの問題点を改善するためには、コンテンツの見直しやレイアウトの変更、ナビゲーションの改善などが必要です。

サイトのデザインやコンテンツ、CTAの配置の見直しなど訪問者のサイト内での行動を最適化していくことでコンバージョン率を向上できるようになるでしょう。これがLPOの基本的な施策と対策です。

訪問者がどのような要素やレイアウトに反応を示すのかなど、訪問者の反応や行動を分析することも、効果的なLPO施策を組むための重要な基盤となります。

どのレイアウトがより効果的であるか、A/Bテストやマルチバリエートテストを活用して検証してみましょう。

A/Bテストとは、同一の目的を持つ2つのバージョン(AとB)を用意し、どちらがより高いパフォーマンスを示すかを検証するテストです。

同じ目的のページであっても、レイアウトや文言、色彩などを変えることで反応が変わることもあります。

マルチバリエートテストは、複数の要素を異なるバリエーションで組み合わせ、最も効果的な組み合わせを見つけるテストです。

ヘッダー画像やキャッチコピー、CTAボタンの位置や色、フォームの入力フィールドの数など、様々な要素の最適な組み合わせを探ることができます。

施策と対策は、一度行ったからといって終わりというわけではありません。

訪問者の行動は常に変化するため、定期的に分析を行い必要に応じて施策と対策を更新していきましょう。

新規競合が登場すると、ユーザーの注意が分散しランディングページへの流入が減少する可能性があります。

競合の動向や提供しているコンテンツをチェックし、自社のページがどのように差別化できているかも考えましょう。

またSEO対策の強化も大切です。検索エンジンからの流入を増やすことで、競合の影響を最小限に抑えられます。

LPOの施策と対策は継続的な取り組みが求められます。

こういった対策を適切に実施していくことで、より多くのユーザーに自社のサービスや商品を理解してもらえるようになるでしょう。

本セクションでは、LPOを実施する際の手順についてご紹介します。

LPOに取り組む際の具体的な手順は、

  1. 目標設定
  2. 現状分析
  3. 改善策の立案

の3ステップとなり、この手順を繰り返していきます。これらを踏まえながら自社のランディングページの最適化を進めてみましょう。

LPOを成功させるための第一歩として大事なことは、明確な目標設定をすることです。目標がなければ向かうべき方向も、何を優先すべきかもわかりません。

まずは達成したい目標を明確に定義しましょう。目標はより具体的な数値で示すことが理想です。

(例)

 など

続いて設定した目標を達成するための具体的なステップを計画しましょう。LPOに取り組む際は、現在のページの状態を把握することが大切です。訪問者にとってどのページが魅力的であるか、どのページが効果的でないかを見極め、各ページの改善点を見つけ出し、それぞれに対する施策を考えていきます。

これはコンテンツの改善やデザインの修正、ナビゲーションの最適化などあらゆる要素に及びます。

ページの現状分析にはGoogle Analytics4といった分析ツールを活用することがおすすめです。

訪問者の行動や流入経路、滞在時間、ページの離脱率など、貴重なデータの収集・分析ができるほか、ユーザーがどの部分に興味を持っているのか、どの部分で離脱してしまっているのかなど具体的な改善点を見つけ出すこともできます。

競合他社のページ分析にも有益です。自社ページとの比較は新たな視点やアイデアを得るための良い機会となるでしょう。

次に、分析結果を元に改善策を立案します。

ユーザーの動向や行動パターン、コンバージョンに至るまでの流れなどを把握し、それらのデータを詳細に分析することで何が問題なのか、どの部分を改善すべきなのかを見つけ出しましょう。その結果を基に具体的な改善策を策定します。

(例)
  • ランディングページのデザイン変更
  • コンテンツの見直し
  • ユーザーの動線の改善 など

分析結果を基に改善策を立案した後は、A/Bテストなどを用いて改善前後のパフォーマンスを比較しながら施策の効果を測定しましょう。

結果を基に改善策を立案し、その効果を検証することでLPOの効果を最大化できます。

ここまでのプロセスを継続的に行うことで、LPOの効果を最大限に引き出せるようになります。データの分析、改善策の立案と反映、結果の分析を繰り返し行えばページのパフォーマンスは徐々に向上していけるでしょう。

この一連の流れがLPO手法の基本的な流れであり、これを理解し活用していくことでユーザーエクスペリエンスの向上、さらにはビジネス成果の向上を同時に達成できるようになるでしょう。

LPOツールの選択はビジネスの成功を左右する重要な判断の一つです。ここではLPOツールの選び方について具体的にご紹介していきます。

適切なLPOツールを選ぶ際には、ビジネスニーズと目標を明確に理解することが不可欠です。自社で提供しているサービスや商品がターゲットとする顧客層、また達成したい目標などを基に、必要な機能やサービスを提供しているツールを選びましょう。

またツールの使いやすさも重要な要素です。使い慣れていないツールは、結果的に成果を出すのに時間がかかってしまいます。直感的な操作性、また見やすいデザインのツールであれば、日々使用する上でのストレスを軽減し効率的な業務遂行を可能としてくれます。

LPOツールを選び出す際には、そのツールが提供するレポートの質に注目することも重要です。具体的な改善策を導き出せるレポートが提供されているかどうか確認しましょう。

(例)
・行動パターンや訪問経路、滞在時間、離脱率など詳細な分析データを提供
→データからどの部分を改善すればコンバージョン率が向上するかを読み解くことができるもの

またレポートが詳細であるだけではなく、それが分かりやすい形で提供されているかも重要なポイントです。

データの山を見せられても、それが何を意味しているのか理解できなければ意味がありません。グラフやチャートなど視覚的に理解しやすい形でデータが提示されているか、また専門的な用語が多用されていないかなどもチェックしましょう。

さらにサポート体制も重視すべきポイントです。どんなに使いやすく優れたツールであっても、問題が発生した際にサポートをしてもらえないと意味がありません。

LPOツールの導入や運用には専門的な知識や技術が求められますので、問題が発生した際にも迅速かつ適切に対応してくれるサポート体制が整っているツールを選ぶようにしましょう。

各ツールの評価やレビューをチェックすることも忘れてはいけません。他のユーザーがどのような経験をしたのか、またその結果どのような効果があったのかを確認することで最適なツールを見つけられるでしょう。

ここまでLPOの特徴やツールの選び方などについてご紹介してきましたが、実際に活用していく際はどんなことに気をつければ良いのでしょうか。

以降では、LPOの失敗パターンとそこからわかる教訓についてご紹介していきます。

LPOを成功させるには様々な課題に対して適切にアプローチすることが求められます。しかし多く見受けられるのが、アプローチが不適切であることから失敗に結びつく事例です。

高価な商品や複雑なサービスなど、ユーザーが一度の訪問で購入に至ることが難しい商材はランディングページだけでの販売には向いていません。

LPOを活用する際は、自社の商材がランディングページに適しているかどうかを事前に評価することが重要です。

商品やサービス自体が一度の訪問で購買につながりにくいものもあるため、その特性を理解した上でマーケティング戦略を選びましょう。

ペルソナの設定が抽象的すぎると、ランディングページの訴求力を鈍らせる結果となります。より具体的なペルソナを設定し、そのニーズを的確に捉えることが重要です。

検索キーワードとランディングページの内容にズレがあると、訪問者の期待を裏切る形となりそこから離脱が増える可能性があります。キーワード選定とランディングページの内容は一致させましょう。

ページ外へのリンクが多すぎると訪問者の注意を散らせてしまい、結果としてランディングページから離れやすくなります。リンクは必要最低限にとどめ、コンバージョンを妨げないよう気をつけましょう。

LPO成功の鍵は、仮説検証をもとに改善施策を繰り返すことです。

一度に全てを解決しようとせず、課題を一つ一つ改善していきましょう。

本記事では、LPOの基本的な情報からその施策や対策、取り組む際の具体的な手順、適切なツールの選び方などについて詳しく解説いたしました。

LPOはウェブサイトやランディングページの最適化を行い、訪問者を顧客へと転換するための重要な施策の一つです。そのため、より多くのコンバージョンを得るためにはLPOの理解と活用が不可欠でしょう。

本記事を通じてLPOの基本的な知識を深め、効果的な施策と対策の立案やツールの選択に役立てていただければ幸いです。これからのウェブマーケティング戦略にLPOを取り入れ、成果を最大化させていきましょう。