HubSpotは豊富な機能と高度なカスタマイズが可能な一方で、初期設定が複雑であると感じるユーザーも少なくありません。
そこで今回はHubSpotの導入を考えている方々、またすでに導入された方でも初期設定について疑問を抱いている方々に向け、HubSpotの基本的な設定方法について詳しく解説していきます。
HubSpotを最大限活用するためにも適切に初期設定を行うことが欠かせません。本記事を通じてHubSpotの初期設定についての理解を深め、ビジネスの成長を加速していただけましたら幸いです。
HubSpotは、マーケティング、セールス、カスタマーサービスを一元化するCRMプラットフォームとして広く使用されています。その機能を最大限に活用するためには初期設定が重要です。本章では、HubSpotアカウントの作成から基本的な設定までをご紹介します。
HubSpotのアカウント作成はシンプルです。
(1)HubSpotのホームページにアクセスし、"Get HubSpot free"のボタンをクリック
(2)次に必要な情報(名前、Eメールアドレス、会社名、ウェブサイトのURL等)を入力
(3)アカウント作成後は、セキュリティを確保するためにパスワードの設定と二段階認証を設定するのがおすすめ
※二段階認証はアカウントへの不正アクセスを防ぐ重要なセキュリティ機能
※パスワードは強度なものに設定するなど適切なセキュリティ対策を講じることが重要
ユーザーそれぞれの地域に適したタイムゾーンを設定することが可能です。アカウント設定の「アカウントデフォルト」セクションにて、タイムゾーンを選択できます。
レポートの時間表示やスケジュール設定があなたの地域の時間に合わせて表示されますので、正確なレポートや通知を受け取るためにも、皆様の地域に合わせて正しいタイムゾーンを設定しましょう。
多言語対応しているHubSpot。アカウント設定の「言語と通貨」セクションから設定できます。なお、ここではユーザー言語だけでなく日付や数値の形式も変更可能。ご自身の地域に合った形で情報を確認できます。
ビジネスの取り扱い通貨も設定でき、アカウント設定から通貨設定に進むと約60種類以上の通貨から選択できます。複数の通貨を取り扱う場合でも、それぞれに対応して設定できます。
通貨別の売上分析や請求書の作成など各国のビジネスに対応した運用が可能となりますし、取引の管理やレポートの生成が容易になります。
HubSpotの設定メニューからは会社の基本情報を設定できます。会社名、住所、電話番号、ウェブサイトのURL、会社のロゴなどが含まれており、顧客とコミュニケーションを取る際や、各種レポートの作成時に役立ちます。
セキュリティを強化するため、HubSpotでは2要素認証の設定が推奨されています。二段階認証はパスワードだけでなく、スマートフォンなどのデバイスを使用した認証を行うことで、不正アクセスを防ぐことができます。
設定はアカウント設定から行い、認証アプリを使用する方法とSMSを使用する方法の2つから選択。2要素認証を設定することで、HubSpotアカウントのセキュリティを一層強化できます。
HubSpotはチーム全体で利用することが前提となっているため、ユーザーの追加や権限の設定も重要です。
一つのダッシュボードから特定の役割を持つユーザーを追加・削除したりとアクセス権限を容易に管理できますし、ユーザー毎のアクティビティの追跡も可能なため企業の業績向上にも貢献します。
HubSpotでは組織の規模や構造に応じてユーザーグループを作成し管理することができ、グループ設定を利用することでチームの役割や権限を一元管理できます。
またユーザーごとの活動追跡も可能で、役割に応じた業務の効率化やパフォーマンスの把握にも役立ちます。
HubSpotでは管理者としてログインした後、設定メニューからユーザーの追加・招待が行えます。アドレスを入力してユーザー招待のEメールを送信後、リンクから直接HubSpotにログインしてアカウントを設定でき、新規ユーザーの追加や既存ユーザーの再設定も容易に行えます。
ユーザーの権限設定は企業のセキュリティポリシーや業務の運用と密接に関連していると言えます。役割や権限は個別に設定・変更できるため、業務の分担や重要な情報へのアクセス制御も効率的に行えるでしょう。
IPアドレスの設定はネットワーク管理者が行う作業の一つです。固定IPアドレスを設定することでネットワーク内のデバイスを一意に識別できるほか、特定地域からのアクセス制御や企業のネットワークからのアクセスのみを許可するなどセキュリティ対策としても長けています。
HubSpotでは、特定のIPアドレスからのアクセスやリファラーからのトラフィックを除外する機能を提供しています。
HubSpotで収集されるすべての分析データから特定のIPアドレスを除外し不要なトラフィックをフィルタリングできるため、より精度の高い分析を行えるようになります。
スタッフや特定ユーザーからのアクセスを除外できれば、ウェブサイトの訪問者数やページビュー数などの統計をより高められるほか不正アクセスの防止にも役立ちます。
また特定のドメインを除外することも可能です。特定の競合他社や無関係なサイトからのトラフィックをフィルタリングできるなど、不要なトラフィックを除去しデータの精度を高めるためにも重要な設定です。正確なトラフィックデータを取得できれば、より効果的なマーケティング戦略を立てられるようになるでしょう。
(1)HubSpotのダッシュボードから「設定」を選択
(2)左側のメニューから「トラッキング&分析」をクリック
(3)「IP除外」を選択し、除外したいIPアドレスを入力
(4)最後に「変更を保存」をクリックして完了
HubSpotで収集するデータを適切に管理するためにもプライバシーの設定はもちろん大切ですが、Cookieの設定も重要な役割を果たします。
そこで本セクションでは、プライバシーの設定で選択できることやCookieを設定するメリット・デメリットについて解説いたします。
HubSpotのプライバシー設定では、個人情報の共有やデータの保存および削除、通知設定など様々な項目をカスタマイズでき、自身の情報がどのように取り扱われるか制御できます。
設定の変更はいつでも可能であり、ユーザーのニーズに応じて都度調整可能です。
サイトと利用者との間のインタラクションを向上させるためにもCookieは重要なツールです。
Cookieを使用することでサイトはユーザーの好みを記憶し、その機能をユーザーが再度サイトにアクセスしたときに適用することで、ユーザーにとって必要な情報を簡単に提供できるようになります。
ユーザー行動の追跡やその情報をサイト所有者に提供することは、ユーザーにとって自分の知らない間に収集・使用されるため、プライバシーに関する懸念を引き起こす可能性も否めません。ユーザーのプライバシーに配慮しながら適切に管理することが求められます。
HubSpotではどのCookieを許可し、どのCookieをブロックするかを細かく設定できますし、訪問者は自分のプライバシー設定を管理できるようにCookieの受け入れ・拒否を選択することができます。
Cookieによる訪問者の追跡を無効とする設定もありますので、ユーザーのプライバシーを尊重しつつ、最適なユーザー体験を提供できるようになるでしょう。
サブスクリプションの管理は、ユーザーが購読するコンテンツを制限したり、配信を最適化するためにも重要な機能の一つです。
ユーザー側は自分が関心を持つ情報だけを受け取ることができ、企業側は顧客体験を向上させられるなど、ビジネスの成長をサポートするためにも適切に管理することが不可欠です。
(1)HubSpotダッシュボードの設定メニューから「サブスクリプション」を選択
(2)「サブスクリプションの種類」をクリックし、新しいサブスクリプションタイプを作成
(3)Eメール配信の頻度、内容、配信時間などを設定
(4)サブスクリプションのオプトアウトを設定
※ユーザーがサブスクリプションから自由に退会できるようにする機能
(5)設定をレビューし保存
本記事ではHubSpotの初期設定について、アカウントの作成手順やIPアドレスの基本概要、Cookieの設定方法やサブスクリプションの管理手順など詳しく解説しました。法規制を遵守しつつ、適切かつ効果的にHubSpotを運用していくためにもきちんと初期設定を行うことが大切です。初期設定をしっかりと行った上でHubSpotを最大限ご活用いただき、ビジネスの成功に繋げていきましょう。