HubSpotのプロパティ管理は、マーケティング活動を効率化させるために欠かせない要素です。設定方法や管理方法は一見複雑ですが、一度設定すればその後の楽さは一目瞭然。
本記事では、HubSpotbbのプロパティについて基本的な情報から、作成方法、編集、整理、さらには統合方法までを詳しく解説していきます。
HubSpotのプロパティは、顧客情報を管理、追跡するためのツールです。各種オブジェクトに関連する情報を一元管理できます。例えばこれら。
これらの異なる情報はまとめて管理でき、それぞれの状況をリアルタイムで把握することも可能。業務の効率的だけでなく顧客満足度の向上も狙え、最適なパフォーマンスを行うことができるでしょう。
なんといっても顧客情報や取引のステージを一元管理できるところが大きな魅力。それに加えて、仕事の効率化と顧客満足度の向上を狙える点も人気の理由です。
例えば、ある製品についての問い合わせをした顧客がいたとしましょう。
情報が一元管理されていることで、営業チームであれば顧客情報をリアルタイムで追跡、最新の状況に基づいた適切な対応を行うことが。マーケティングチームなら、プロパティを基に分類を行い、顧客にあった情報提供をすることができます。
コンタクトプロパティはHubSpotの中心的な要素であり、顧客との関係を深めるために役立ちます。
デフォルトのプロパティ、カスタムプロパティ、計算プロパティなど種類は多数あり、今回はその中から便利な3つを紹介します。
プロパティの作成は比較的簡単です。
(1)プロパティのタイプを設定。
→テキスト、数値、日付、真偽値など、管理したい情報の種類によって決めるといいでしょう。
(2)プロパティのラベルを設定。
→プロパティを識別するための名前で、ユーザーに表示されます。
(3)内部名の設定。
→システム内部での識別子で、一度設定すると変更することはできませんのでご注意を。
(4)プロパティの説明を設定。
→プロパティの目的や使用方法など、詳細な情報を記載します。
また、HubSpotではプロパティをグループ化することも可能です。そうすることで関連するプロパティを一緒に管理でき、情報の追跡や検索がしやすくなります。例えば、顧客情報と取引情報を別のグループにまとめるなど。
HubSpotでは、標準のプロパティだけでなく、自分だけのカスタムプロパティを作成することもできます。特定のニーズに対応する情報の管理などに便利です。手順はこちら。
(1)HubSpotの設定ページにアクセスし、左側のメニューから「プロパティ」を選択。
(2)右上の「プロパティの作成」ボタンをクリックし、新しいプロパティの設定画面へ進む。
(3)プロパティのタイプ、ラベル、内部名、説明を設定。
※プロパティのグループに分けを行う場合、ここで設定できます。
(3−1)プロパティグループのドロップダウンメニューから、新しいプロパティを追加したいグループを選択。
(3−2)既存のグループが適合しない場合は、新しいグループを作成。
(4)設定が完了したら、「作成」ボタンをクリックで完了。
作成したプロパティは、コンタクト、会社、取引、チケットなどの各オブジェクトに追加して使用できます。
カスタムプロパティの作成には注意すべきポイントがいくつか存在します。
同じような情報を持つプロパティが複数存在すると、データ管理が混乱し、重複した作業が発生する可能性があります。
プロパティのデータ型が不適切だと、期待通りの分析結果が得られない、あるいは分析自体ができないという問題が発生します。例えば、数値を扱うプロパティをテキスト型で作成した場合、数値に基づく集計や比較などはできません。
設定によっては、リストの漏れなどが発生することもあります。特定の条件を満たすレコードをフィルタリングする際に、プロパティ設定のミスにより重要なデータが抜け落ちてしまうという事態を防ぐためにも、プロパティ設定は慎重に行うようにしましょう。
プロパティの編集と整理は、一度作成したプロパティを効率的に使い続けるために便利です。編集したり、プロパティの表示順序を変更、不要になったプロパティの削除など整理をし、データのクオリティを保ちましょう。
データ編集は、ユーザーのデータが一貫性を保ち、重複や矛盾がない状態を保つために重要です。
(1)「設定」メニューから「データ管理」を選び、「プロパティ」をクリック。
(2)すべてのプロパティ一覧が表示されたら、特定のプロパティを選択し、「編集」をクリック。
(3)そのプロパティの詳細情報を編集。
また、
・同じ種類の情報を持つプロパティは同じフォーマットで入力する。
・プロパティのラベルや説明は明確で理解しやすいものにする。
などと他のユーザーがそのプロパティの目的を理解しやすいようにすると良いでしょう。
組織の中で情報が増え続けると、重複したデータや不要なデータが溜まってしまう可能性があります。これらは分析を行う際に混乱を招く原因にもなり得るため、データの整合性を保つためにも定期的なデータクリーニングが重要です。
「設定>データ管理>プロパティ」から各オブジェクトのプロパティを確認できます。ここでは、プロパティの一覧が表示され、それぞれの詳細を確認することが可能です。不要なプロパティや古いデータ、重複したデータなどを削除しクリーンアップを行いましょう。
類似のプロパティを一元的に管理するためには、プロパティグループを活用すると効果的です。プロパティグループとは、関連するプロパティをまとめて管理するための機能で、整理が簡単になるという仕組みです。
プロパティの整理は、データの一元管理とクリーンアップを通じて、より効果的なデータ管理を目指します。
プロパティの統合は、異なるオブジェクト間での情報共有が行える手段です。プロパティの統合を行うことで、顧客情報や取引履歴などを一元化し、効率的なデータ管理が可能となります。統合方法はこちら。
(1)HubSpotの設定画面からプロパティの管理画面を開き、統合したいプロパティを選択。
(2)統合設定のオプションからプロパティを統合するオブジェクトを選択し、必要な設定を行った後に保存。
誤った統合設定はデータの混乱を招く可能性があるため、設定の際は十分に確認を行うようにしましょう。また、統合したプロパティは定期的にレビューを行い、必要に応じて設定の更新を行うといいでしょう。
プロパティを統合すると、プロパティ間でのデータ連携を可能にし、情報の一元化ができるため管理がしやすくなります。例えば、同じ顧客のさまざまなプロパティを統合することで、顧客の全体像を一覧できる。レポート作成時には、個別のプロパティではなく統合されたプロパティの使用で、より広範なレポートを作成できる。などが考えられます。
これらにはプロパティの適切な編集と整理も大きく関わり、データ管理の効率化に不可欠なプロセスとも言えるので適切な設定を行って行きましょう。
同じプロパティ内で選択肢を統合することで、データの一貫性を保つだけでなく、分析作業の効率化も図ることができます。
統合は基本的に「設定>データ管理>プロパティ」から行います。
(1)統合したいプロパティを選択し、そのプロパティの設定画面に移行。
(2)プロパティの「選択肢」タブを開く。
→ここにはそのプロパティのすべての選択肢が表示されます。
(3)統合したい選択肢を選び、「選択肢を統合」をクリック。
(4)統合後の選択肢を選択する画面が表示されたら、適切な選択肢を選択。
(5)統合をクリックすると、選択した選択肢が一つに統合され、完了。
※この操作は元に戻すことができないため、統合前には十分な確認を行うことが重要です。
統合によってデータが失われることのないよう、定期的なバックアップも忘れずに行いましょう。
コンタクトプロパティの設定を効率化するには、異なるプロパティを精査し、統合する必要があります。これにはいくつかのステップが必要ですが、今回は特に重要な2つを見ていきます。
既存のデータを新しい情報で更新するための手段です。インポート機能を使用すれば、大量のデータを一度に追加または更新することが可能。しかし間違ったデータはインポートしないよう注意必須、またデータの確認とバックアップも重要です。
ワークフロー機能は、特定のアクションや条件に基づく設定を自動化する方法です。
例えば、特定のプロパティが更新されたら自動的に他のプロパティも更新されるようにする、特定の条件を満たすユーザーが現れたら自動的にメールを送信する、などが可能。これにより手動での更新作業を大幅に減らすことができます。
これまで情報管理の効率化に向け、プロパティの設定について説明してきましたが、その全体像を把握するには、まず現状のプロパティがどうなっているのかを理解しなければいけません。
そんな時に、プロパティの一括ダウンロードが有効です。
(1)HubSpotのダッシュボードにログインし、設定メニューを開く。
(2)左側のメニューから「プロパティ」を選択し、画面上部の「アクション」ドロップダウンメニューから「すべてダウンロード」をクリック。
ダウンロードが完了したら、エクセルやCSVリーダーで開いて情報を確認しましょう。ここには、各プロパティの名称、データ型、説明、作成日、最終更新日など、プロパティに関する詳細な情報が掲載されています。この情報を基に、どのプロパティが活用されていて、どのプロパティが不足しているのか等を把握できます。また、データが正しく設定されているか、既存のプロパティが現在のニーズに適しているかなど、より深く分析することも可能です。
コンタクトプロパティの設定により情報管理を大幅に効率化することができるとが理解できましたでしょうか。顧客の詳細情報を一元管理できることで、業務効率化だけでなく、時間や人手の節約にも繋がります。
一度設定を行えば、その後は自動的に情報が更新され、管理者の手間を軽減できるのでおすすめです。
顧客との関係性を深め、最適なマーケティング活動をしていきましょう。