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無料プラン「HubSpot CRM」はどこまでできる?有料プランとの違い&活用ヒント

作成者: 阿部 千夏|2023年09月13日

HubSpotでは現在、「CRM」「CMS」「Marketing」「Sales」「Service」「Operations 」の5つのツールを提供しています。

便利だと分かっていても理解しきれない多機能たち。中でもHubSpot CRMに関しては、『無料って本当?』『どこまでできるの?』『他の有料ツールとは違うの?』と疑問が多いのではないでしょうか。

「完全無料」という大きな魅力をもつHubSpot CRM。ただし、無料なだけあって、できることには限りがあります。

今回は、そんなHubSpot CRMとは一体なんなのか、どこまで操作を可能とするのかを紹介していこうと思います。

できることへの理解を深め、さらなる顧客との良好な関係性作り、そして社員とのスムーズな連携を目指していきましょう。

HubSpot CRMは、企業の営業活動やマーケティング活動を効率的に管理するためのクラウドベースの顧客関係管理(CRM)プラットフォームです。このツールは、企業がリードや顧客との関係を築くための強力なサポートを提供します。そもそもCRMとは、「顧客関係管理」を意味し、顧客情報や顧客とのコミュニケーション履歴などをデータベースにまとめ、管理できるというものになります。

ちなみにHubSpot CRMはMarketing Hub、Sale Hub、Service Hubなど他ツールの一部を触ることができるので、HubSpot CRMだけでも、マーケティング活動や営業活動に十分役立てることができます。

無料版HubSpot CRMでは、コンタクト管理、メール追跡、タスク管理など、基本的な顧客関係管理や営業活動を円滑に進めるための基本機能が揃っています。

まず、コンタクト管理機能があり、顧客情報を一元管理できるため、営業チームが顧客とのやり取りをスムーズに追跡できます。この機能は、顧客の詳細な情報ややり取りの履歴を簡単に検索、整理、更新することが可能です。

次に、メールマーケティング機能があります。これは、カスタマイズされたメールキャンペーンを作成し、送信することができる機能です。メールテンプレートを利用して、プロフェッショナルなメールを簡単に作成し、特定のオーディエンスにターゲットを絞ったマーケティングが可能です。

さらに、HubSpot CRMは他のツールとの連携が容易で、Google WorkspaceやMicrosoft Officeとの統合を通じて、既存の業務フローにシームレスに組み込むことができます。この連携により、データの二重入力を避け、効率的な情報管理が実現します。また、基本的なダッシュボード機能も含まれており、営業パフォーマンスをリアルタイムで可視化することができます。

HubSpot CRMはマーケティング、販売、カスタマーサービスの各部門が連携して作業できるように設計されており、これにより顧客のライフサイクル全体を通じた一貫したエクスペリエンスの提供が可能になります。この統合的なアプローチにより、顧客満足度の向上やリードの獲得、顧客維持率の向上が期待できます。HubSpot CRMは、デジタル時代における顧客関係管理の新しい標準を提供し、企業の成長を促進する重要なツールとなっています。

HubSpot CRMには無料版と有料版があり、それぞれが提供する機能とサポートには明確な違いがあります。無料版は中小企業や個人事業者向けに設計されており、基本的なCRM機能を提供します。例えば、コンタクト管理、メールテンプレート、チャットボットなどのツールが利用可能で、これらはビジネスの基本的なニーズを満たすのに十分です。一方、有料版はより高度な機能とカスタマイズの選択肢を提供し、大規模な企業や特定のマーケティング戦略を必要とするビジネス向けに最適化されています。

有料版では、マーケティングオートメーション、カスタムレポート、A/Bテスト、SEO最適化ツールなどが利用可能で、これによりユーザーはより精緻なマーケティングキャンペーンを実施できます。また、有料版では優先的なカスタマーサポートや専用トレーニングセッションが含まれていることが多く、これにより企業は迅速かつ効果的にHubSpot CRMを活用できます。

さらに、有料版ではチームのコラボレーションを促進するための機能や、より多くのAPI呼び出しがサポートされており、他のビジネスツールとの統合がより柔軟に行えます。このように、無料版はコストを抑えつつ基本的なCRMニーズを満たすための選択肢である一方、有料版はビジネスの成長を加速させるための高度な機能とサポートを提供しています。ビジネスの規模やニーズに応じて、どちらのプランが最適かを慎重に検討することが重要です。

 

では次に具体的にどんなことができるのか詳しく見ていきましょう。

HubSpot CRMができることとしては、主に以下の7つが挙げられます。

  • コンタクト管理
  • 企業インサイト
  • フォーム作成
  • LP作成
  • 広告管理
  • レポーティング
  • チャットボット設置

 

商談先の企業情報や担当者情報、商談ステータスなどを管理できる機能です。

Eメールの送信や、通話記録、営業メモ管理、タスク管理、ミーティングのスケジュール設定なども可能とします。

さらに便利なところは、これまでメールを送信する際、顧客の情報やスケジュール表、営業メモなど複数のページを開いていませんでしたか?その複数のページを1画面に全て表示させることができるのです。急いであれもこれもと資料を開く必要がないため、ミスを防ぐことにも繋がります。

HubSpot CRMに登録されている2,000万社を超えるデータベースの中から、商談中の企業に関する詳細情報を自動で取得できる機能です。

相手企業の情報収集は商談だけでなく、良好な関係性作りにおいても非常に大事です。とはいえ、なんだかんだ時間のかかってしまう作業の一つでもあります。HubSpot CRMではアドレスの入力だけで、紐づいた企業情報が表示されるため、収集時間をかなり短縮できるでしょう。その分、他の営業活動などに時間を割け、効率の良い動きを狙うことができます。

HTMLやCSSなど専門知識や複雑なコーディングを使用せずに、フォームを作成することができる機能です。HubSpot内で既に用意されている入力項目を選択し、ドラッグ&ドロップで設置するだけの簡単な仕組みなので、初心者でも比較的触りやすいでしょう。

CRM機能が搭載されていることで、フォームに入力があった際は、その顧客情報を自動で登録・管理ができます。また、HubSpotで作成したフォームは他サイトにも設置することができ、作り直す作業を省けるのです。

ただし、無料版だと入力項目に制限があり、設置できない項目もあるので注意が必要です。

フォーム作成と同様、コーディングを必要とせず、ドラッグ&ドロップで設置項目を選択するだけの、直感的な作業でLPを作成できます。

LPにおいては、実用性のある多くのテンプレートが用意されていますが、一部のカスタムは有料版でないとできないので、こちらも注意が必要です。

Facebook、Instagram、LinkedIn、Googleに出稿した広告データを1箇所で管理ができます。広告媒体によって異なるデータ分析ツール。複数のツールを開いて見比べる必要がなくなるので、管理がしやすくなることでしょう。

また、CRM内のデータや、広告アカウントとも連携することで、正しいROIを計測することができます。 

HubSpotがCRM、CMS、Marketing、Sales、Serviceなど様々なツールを1つのプラットフォームで完結させているため、それらすべての成果を「ダッシュボード」で管理ができます。結果だけでなく、どのようにリードを育成させたのか、またどのように顧客満足度を上げたかなどのレポーティングを可能とします。

ただし、無料版では「Marketing」「Sales」「Service」の3つからしかダッシュボードを作成できないので注意が必要です。

リアルタイムで顧客とやりとりできるチャットボットの設置が可能です。

よくある質問や問い合わせがある場合、回答をあらかじめ設定しておくことで、即座に対応できるようになります。また、問い合わせに自動で返信することも可能なので、営業時間外や休業日など関係なく、顧客対応が可能になるのです。

無料版では、一時返答などの簡易的なチャットしか表示することはできませんが、人的リソースの削減、顧客への満足度には繋げることのできる機能です。

無料のHubSpot CRMツールでもかなりの部分を賄うことができると、お分かりいただけましたか。

ただ記事冒頭でも申し上げた通り、無料版だと使用範囲に制限があり、カスタマイズができない部分も存在してしまうので事前に確認が必要です。

無料版のHubSpot CRMでできることと、有料版の「CMS」「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」でできることを比較し、必要なカスタマイズがあれば有料版を契約するといいでしょう。

HubSpotの有料版には、「Starter」「Professional」「Enterprise」と3つの料金プランが用意されており、プランによって利用できる機能や管理できるものの数が変わってきます。

例えば「Marketing Hub」を見てみると、それぞれ月額が下記のようになります。

金額だけを見ると、プランによっては高いなぁと感じてしまうかもしれません。しかしHubSpotの特徴でもあり強みでもある他機能同士の連携。単体で利用するよりも、他機能と併用することでさらに力は発揮されます。できる幅が広がれば顧客へのアプローチ方法や活動内容の幅も広がります。自社で課題としている問題の、何を解決したいのかを改めて整理してみるといいかもしれません。

またHubSpotは、慣れるまでの操作に苦労する人が多い印象です。できることが多い分、覚えることも多いというわけですね。導入を検討している方は、検討段階の時点で一度、無料版を触って感覚を掴んでみることをおすすめします。

今回はHubSpot CRMのできることについてご紹介しましたが、紹介した8つの機能の他にも利用できる機能は用意されています。

また、実際に触ってみることで「思っていたより理想に近い」「こんな使い方もできるんだ」と改めて気づくことも多いでしょう。

今、あなたが使用しているツールも慣れるまでは使いにくさがあったと思います。早い段階で諦めるのではなく、少しでも導入を考えているのであれば、今すぐ試せるHubSpot CRMを触ってみてはいかがでしょうか。