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ウチのサイトのコンバージョン率はなぜ低い? よくある課題とその原因

作成者: 阿部 千夏|2025年04月09日

自社サイトを通じて問い合わせや資料請求を増やそうと努力しても、期待通りのコンバージョン率を達成することができずに悩んでいる企業は多いかと思われます。改善に取り組んでいるにもかかわらず、成果が上がらない背景にはどのような原因が潜んでいるのでしょうか。

本記事では、コンバージョン率が低迷する主な要因を分析し、実践的なテクニックを交えながら成果を上げるためのステップを詳しく解説していきます。これらの知識を活用し、自社サイトのパフォーマンス向上にお役立てください。

コンバージョン率(CVR)とは、サイトを訪れたユーザーの中で、購入や会員登録といった特定のアクション(コンバージョン)を実行した割合のことです。コンバージョン率が高ければ効率よく目標が達成されていることを意味しますが、逆に低い場合は改善を行う必要があります。

例えば、サイトに訪問してくれるユーザーは多いのにコンバージョン率が低いとなれば、「興味はあるのに、何らかの理由で最終アクションに至っていない」ということになり、非常にもったいない状況です。

また、改善に努めていてもなかなか成果が出ないという方もいるでしょう。その場合は、低下する原因を突き止められていない可能性があります。コンバージョン率の低下には様々な原因が考えられますが、そもそも何をコンバージョンとして目標にしているかによっても対策は異なります。コンバージョン率の改善には時間がかかる場合が多く、焦りから頻繁に戦略を変更すると、逆に効果を減少させてしまうリスクもあるのです。闇雲に対策を行うのではなく、コンバージョン率が低下する原因をしっかり理解し、自社に足りないものを把握することから始めましょう。

コンバージョン率を下げる要因として、主によくある課題は以下5点です。

今回はこれらがなぜコンバージョン率を下げてしまうのかを解説し、その改善策についても詳しく紹介します。

問い合わせのハードルが高すぎると、大抵のユーザーは行動をためらってしまいます。また、ハードルを感じる理由にはいくつかの要因が絡み合っている場合が多く、例えば、

  • 時間や手間がかかると感じてしまう場合
  • 問い合わせフォームが複雑だったり、必要な情報を手元に揃えておく必要がある場合
  • すぐに返信が来るのか、問い合わせ内容が適切に理解されるのかといった不安を感じる場合
  • 過去に不満足だった経験がある場合

など。これらは一般的に問い合わせに対する信頼を低下させ、躊躇させるハードルとして立ちはだかります。

また、BtoBビジネスにおいては以下の要素も大きな原因です。

BtoBの場合、一つの決定が企業全体に影響を及ぼすため、関与する担当者も多く慎重な検討が求められます。価格や品質、サービスの信頼性など多くの要素が検討材料となり、すぐに「問い合わせ」や「見積もり依頼」を行うのは難しく時間がかかるのが実情です。

また社内で承認を得る必要がある企業も多いでしょう。そのため、最初の接触段階でいきなり積極的な行動を求められても行動に移しにくいのです。

そしてもう一つ、情報収集を目的に訪れるユーザーに対して、早い段階で営業活動を行おうとする姿勢が見えてしまうことも要注意。多くのユーザーは、購入や契約の決断をするために、まず製品やサービスに関する情報を集めて選択肢を比較検討したいと考えます。しかし、企業側が早期に営業をかけすぎてしまうと、ユーザーは圧力を感じてしまい、結果として興味を失ってしまう可能性があるのです。

問い合わせのハードルを下げるには、この2点が有効です。

いきなりハードルの高い行動を求められると抵抗を感じてしまうため、いかに”気軽にアクセス”できるかが大切です。ユーザーにとってリスクが低く、ハードルを下げやすいコンテンツ内容を意識しましょう。

例えば「問い合わせ」ではなく、「無料技術資料」や「チェックリスト」「業界トレンドレポート」などだと、ユーザーが気軽に情報を取得しやすく、興味を持ってもらうきっかけとして効果的です。また、ユーザーの信頼を得やすくなり、次のステップとしてより具体的なアクション(例えば製品の購入やサービスの申し込み)も促進しやすくなります。

また、具体的な「成功事例」や「技術活用例」を提示することも良しとされています。具体例が持つ説得力と信頼性は、顧客の意思決定に大きな影響を与えるからです。

例えば「成功事例」だと、その製品やサービスが実際に効果を発揮したことを確認でき、安心感を持たれやすくなります。「技術活用例」であれば、その技術がどのように自分のビジネスや生活に役立つかを具体的にイメージしやすくなるでしょう。

要は、漠然とした説明ではなく、ユーザーがその価値を理解し実感しやすくさせることが大事なのです。

ユーザーがフォームの途中で離脱してしまうことが多い場合は下記の原因が考えられます。

例えば、会社名、住所、部署名、電話番号など、あまり必要性を感じない詳細な情報まで求められると、ユーザーは入力作業に負担を感じてしまいます。特に、スマートフォンからのアクセスでは、入力作業が一層面倒に感じられることが多く、これが離脱の原因となります。また、「入力が面倒」と感じるだけでなく、個人情報を詳細に求められることで「営業電話が来そう」といった不安を抱かせてしまうことも離脱の理由となるのです。

必要以上の情報を求めることは、ユーザーに不信感を与え、途中でフォームを離れる結果に繋がります。ユーザーが安心してフォームを完了できるようにしてあげましょう。

フォームの途中離脱を防ぐには下記3点が必要です。

途中離脱を防ぐためにも、必須項目を最小限に絞り込むことが重要です。ユーザーがフォーム入力の際に感じる負担を軽減することは、コンバージョン率改善の鍵となります。例えば、名前とメールアドレスだけで十分な場合、それ以外の情報の入力を後回しにすることで、ユーザーがストレスを感じずにスムーズに進めることができます。ユーザーの体験を向上させる工夫がコンバージョン率の改善に大きく関わってくるのです。

ステップフォームを導入することで、入力を段階的に促す方法も良いでしょう。ユーザーは一度に多くの情報を求められることなく少しずつ進められるため、心理的な抵抗を低減できます。各ステップが少しずつ進むことで達成感を感じさせ、最終的な完了までのモチベーションを維持する効果があるのです。

「1分で完了!」といった短時間での完了をアピールするメッセージもユーザーにとってのハードルを下げる要素の一つです。このようなメッセージは、ユーザーに「手間がかからない」と感じさせ、入力を開始する心理的な障壁を低くします。特に忙しいユーザーや初めて訪れたユーザーにとって、時間の節約や手間の軽減は大きなメリットとなります。

このように、必須項目の最小化、段階的な入力の導入、そして心理的ハードルを下げるメッセージを組み合わせることでフォームの途中離脱を防ぎ、最後までフォームを完了させる対策を行っていきましょう。

CTAの配置とデザインもコンバージョン率を低下させる主な要因の一つです。本来、ユーザーに行動を促すためのメッセージやボタンなのに、分かりにくければ意味がありません。具体的な原因としてはこれら。

「CTAボタンが目立たない」または「ページの一番下にしか配置されおらず分かりにくい」場合、当然訪問者はその存在に気づきにくいです。ページを最後までスクロールするユーザーは多くないため、重要なアクションボタンが目の届かない位置にあると機会損失につながります。CTAボタンは視認性が高く、ページの上部やコンテンツの流れに沿った位置に配置しユーザーの目を引きましょう。さらに、色やフォントも工夫し、背景と十分にコントラストを持たせるなど、自然と視線が集まるような設計をすることが重要です。

また、CTAの文言が魅力に欠ける場合も改善が必須。「お問い合わせはこちら」などという一般的な表現は、ユーザーに具体的な価値や行動のメリットを伝えにくく、結果として行動を促す力が弱まります。

CTAの改善にはこれらが有効です。

CTAボタンをファーストビュー(画面を開いた瞬間)に設置し、ユーザーがページを開いた瞬間に行動を促すことができるようにしておきましょう。これは、注意が散漫になりやすいオンライン環境では、ユーザーを引きつけるために効果的な手段です。

記事の途中や最後など、CTAを複数配置し、ユーザーがページをスクロールしても目にする機会を与えるようにしましょう。CTAボタンが複数あると、ユーザーが興味を持ったタイミングで次のステップを促すことができるため、行動を起こしやすくなりコンバージョン率の向上が期待できます。

読者にとって魅力的な文言をCTAに入れ、ユーザーの関心を引くことも忘れないようにして下さい。

例えば、「お問い合わせはこちら」と「相談を無料で受ける」ではどちらの方がより魅力的だと思うでしょうか。

「相談を無料で受ける」のように具体的かつ魅力的な印象を与えるような文言を作成するようにしましょう。CTAは、ユーザーが”そのボタンをクリックすることで得られる利益を直接的に訴求する言葉”を使うことが効果的です。同様に、「資料ダウンロード」という曖昧な表現も「最新の○○レポートを無料で入手」などと、具体的な価値を提示してあげるのも1つの方法です。

コンテンツとターゲットの不一致において重要なのは”ユーザー視点の欠如”です。具体的にはこちら。

多くの企業は製品やサービスの特徴を強調することに注力しすぎて、ユーザーが何を求めているのかを見失いがちになりやすいです。例えば、製品の性能やスペックを詳細に説明する一方で、その製品がユーザーの日常生活や問題解決にどのように役立つかを示していないなど。これではユーザーがその価値を実感できません。ユーザーが本当に望んでいるのは、自分たちのニーズにぴったり合った情報や解決策だということを忘れないようにしましょう。

また、ターゲットの検索ニーズに合致していないことも大きな問題です。ユーザーは自分の疑問や課題を解決するために検索エンジンを利用しますが、その際に見つかるコンテンツが的外れだと、すぐに他の情報源に移ってしまいます。例えば、特定の問題に対する解決策を探しているユーザーが、漠然とした企業紹介や一般的な情報のみを見つけた場合など。ターゲットが検索するキーワードやフレーズを正確に捉え、それに応じた具体的で有用な情報を提供することが求められるのです。

コンテンツとターゲットをマッチさせるにはこれらを実践してみましょう。

ユーザーはなによりも自身の問題を解決する情報を求めています。そのため「ユーザーの課題を解決するコンテンツ」を増やすことはとても重要です。例えば、「○○の選び方」や「○○の導入事例」といった具体的なコンテンツは、ユーザーの持つ課題の答えを提供しやすいでしょう。課題を解決できると顧客の信頼を得るだけでなく、こちら側が問題を深く理解していることを示す良い手段にもなります。

SEOキーワードを意識して、検索ニーズを満たす記事を作成することも欠かせません。ターゲットとなるユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを調査し、それに基づいてコンテンツを設計することは、コンバージョン率の改善において極めて重要です。このプロセスにより、検索エンジンでの可視性が向上し、より多くのユーザーがサイトを訪れる可能性が高まります。さらに、検索意図に沿ったコンテンツを提供することは、ユーザーの満足度を高め、サイトへの信頼性も向上させるのです。

SEO記事の作り方について>>>上位表示されるSEO記事の特徴とは?制作方法を徹底解説!

ターゲット層にとって魅力的で役立つ情報を提供できると、結果として「訪問者の質が向上し、コンバージョン率の増加」にもつながります。

CTAボタンやコンテンツ内容だけでなく、サイト自体の使用感もコンバージョン率を下げる要因になります。具体的にはこちら。

情報過多により、ユーザーが次に何をすればいいのか分からなくなってしまうことはコンバージョン率を下げる原因となります。多くのコンテンツやリンクが詰め込まれたページでは、訪問者が目的の情報を見つけるのに時間がかかり、結果として直帰率を高めるのです。サイトのデザインはシンプルで、ユーザーが自然に次に進むべきステップを理解できるよう導線を整えましょう。

同じように、文字が多すぎるのもユーザーにとっては情報の消化が困難になり、ページを離れる理由となりやすいです。読みやすさを重視し、適切な段落構成やフォントを利用して、要点を明確に伝えるように心がけましょう。

そして、スマートフォンやタブレットからのアクセスが増加する昨今で、レスポンシブデザインがないとユーザーは不便を感じやすくなります。デバイスに応じてレイアウトが自動的に調整されないと、見にくさが増し、コンバージョンの機会を逃してしまう可能性があります。

直帰率を下げ、コンバージョン率の向上に役立つデザインにするには、ユーザーが求める情報を早い段階で見つけられるようこれらを意識してみてください。

ファーストビューに「結論・ベネフィット」を明示することはとても大切です。ページを開いた瞬間に、サイトが提供する価値や利点が明確に伝わるようなデザインだとユーザーも理解しやすいです。例えば、キャッチコピーやCTAを配置し、ユーザーが次に取るべきアクションをすぐに理解できるようにするなど。

レイアウトを簡潔にし、重要な情報だけを強調することも意識して下さい。情報過多は混乱を招き、ユーザーを離脱させてしまいます。各ページにおいて、ユーザーが求める情報を「最小限のスクロールとクリック」で発見できるように設計し、視線の流れを意識したレイアウトを心がけましょう。

スマホでも使いやすいUIへの最適化も不可欠です。モバイルフレンドリーなデザインにすることで、スマートフォンユーザーにとっての使いやすさを向上させます。タップ操作がしやすいボタンのサイズや間隔を設けることや、ページの読み込み速度を向上させることも重要です。レスポンシブデザインを採用し、どのデバイスからでも同じように快適な閲覧体験を提供することを目指しましょう。

コンバージョン率の改善は、Webサイトのパフォーマンスを向上させ、ビジネスの成果を高めるために欠かせないプロセスです。ユーザーが何を求めているのかを理解し、サイトの使いやすさを向上させることに注力しましょう。本記事で紹介した具体的な改善策を一つずつ試し、自社サイトのコンバージョン率の向上を図ってみて下さい。

また、自社ではうまく改善の効果がでないという企業は外注の活用も一つの解決策です。専門家の力を借りることで、迅速に既存の課題の特定やその改善を実施することができます。他にも最新の技術や戦略を取り入れることができ、より効率的にターゲットユーザーにアプローチできるというメリットもあるでしょう。外注することで企業は自社のリソースを本業に集中させながらコンバージョン率を向上させることができるのです。

コンテナでもコンバージョン率を上げるためのご支援を行っています。Web業界において約15年の制作実績を持ち、「弊社独自の分析」を使いコンテンツマーケティングを行っている他、上級ウェブ解析士が複数在籍しているため、実績と知見から知識を豊富にご提供できます。魅力的なサイトやCTAのデザイン提案、コンバージョンへの導線設計、必要なコンテンツの作成など幅広くサポート可能です。コンバージョン率の低下に少しでもお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。