Webサイトの改善を目的にGA4(Google analytics 4)を導入したものの、「データをあまり見ていない」「レポートの活用方法がよくわからない」とお困りではありませんか?そもそもの操作方法やレポートの見方などを把握できていなければ、十分にGA4を活用することは難しいですよね。
本記事では、GA4の導入後によくある課題や改善につながる3つの方法を、BtoB製造業に特化してお伝えします。専門用語はできるだけ使わずに、今すぐ取り組めるチェックリストも紹介します。BtoB製造業のマーケティングご担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。
GA4の導入後、BtoB製造業が直面することが多い問題点をチェックリスト形式で紹介します。
まず、データは収集されているものの、製造現場でそのデータを定期的に確認する習慣がないケースが多々あります。データはただ収集するだけでなく、それを活用することで初めて製造プロセスの効率化や品質管理の向上につながります。
レポートの見方が分からず、データの解釈に困っている担当者の方も少なくありません。GA4のレポートはUAと比較して新しいインターフェースや機能が追加されており、慣れるまで時間がかかることがあります。また、UAと比べて使いづらいと感じる方もいらっしゃいますが、これは単に慣れの問題だけでなく、GA4の持つ新たな機能を理解しきれていないことが原因かもしれません。
さらに、収集したデータを基にどの製造プロセスを改善すればよいのかがわからないという声もよく聞かれます。社内にGA4を理解している人がいない場合も、基本的な操作方法やデータの見方がわからず、社内での情報共有が進まなくなってしまいます。GA4を効果的に活用するためには、製造業に特化したデータ分析の知識を身につけ、組織全体での理解を深めていかなければならないというわけです。
BtoB製造業がGA4の活用に苦戦している場合、以下の理由が考えられます。
ここでは、これら3つの理由を深掘りしていきますので、自社の状況と照らし合わせながらご覧ください。
BtoB製造業がGA4の活用に苦戦する理由としてまず挙げられるのは、デフォルト設定のままでカスタマイズしていない、“とりあえず計測”の状態で止まっていることです。
GA4の導入に際して、多くの企業は基本的なトラッキングコードを設置し、初期設定のまま運用を開始するのが一般的です。しかし、デフォルト設定のままでは、BtoB業界特有の重要な行動を十分に計測できません。たとえば、製品カタログのダウンロードやお問い合わせフォームの送信など、BtoBのビジネスプロセスにおいて重要なユーザー行動は、デフォルト設定ではトラッキングされないケースが多くあります。そのため、企業はユーザーの興味やニーズに関する具体的なデータを見逃してしまう可能性が考えられます。
BtoB製造業がGA4を効果的に活用するには、デフォルト設定から一歩進み、カスタマイズを通じて自社に最適化されたデータ収集体制を構築することが求められるのです。
BtoB製造業がGA4の活用に苦戦するのには、集めたデータをどのように解釈し、具体的なアクションにつなげるのかが不明瞭であることも関係しています。
多くの企業がアクセス数やセッション数といった表面的な数字に注目するものの、それが営業活動やビジネス成長にどのように貢献するのかを明確に把握できていないのが現状です。たとえば、訪問者数の増減を確認することで安心してしまい、訪問者のその先の行動パターンやコンバージョン経路の分析が疎かになっているケースが見受けられます。
GA4ではユーザー行動を詳細に追跡し、カスタマージャーニーを可視化しますが、それを効果的に活用するためには、データの背後にあるストーリーを読み取り、各指標が示す潜在的なビジネスチャンスを見出す必要があります。たとえば、特定の製品ページの閲覧頻度や、サイト内でのユーザーの滞在時間などは、見込み顧客の興味や関心を示す重要な手がかりとなりますが、それらを具体的な営業戦略に結びつける能力が求められます。
さらに、GA4のインサイトを活用してターゲット顧客へのリーチを最適化するには、データサイエンスやマーケティングの知識が求められ、単にデータを収集するだけでなく、分析結果を基にした具体的なアクションプランの策定が不可欠です。
BtoB製造業においてGA4を有効活用するには、データの解釈力を高め、営業やマーケティングの現場で実際に役立つインサイトを引き出すスキルが必要というわけです。
GA4を活用するための社内体制が整っていないことも、BtoB製造業がGA4の活用に苦戦する理由としてあります。製造業では、複雑な製品を扱うため、顧客行動のデータ分析が重要となりますが、そのデータをどのように活用するのかが大きな課題です。
マーケティング部門がGA4の主な利用者となり、他の部門、特に営業部門との連携が不十分であることが大きな障壁となっています。GA4が持つ詳細なデータ分析機能は、営業活動の強化や顧客理解、製品開発の方向性の決定などに役立つ可能性がありますが、これらの情報が営業チームに適切に伝達されていなければ、実際のビジネス成果や製品改良には結びつかないでしょう。社内での情報共有が不足していることにより、GA4は単なるマーケティング部門内のツールとして留まりがちで、全社的な戦略には活かされていないことが少なくありません。
このような状況を打破するには、各部門間での情報共有と連携を強化し、GA4のデータを全社的な意思決定に活用するための仕組み作りが不可欠です。
これらの仕組みづくりを進めることにより、マーケティングと営業の垣根を超えた協力体制を築き、GA4のデータを基にした戦略展開が可能となります。
課題が明確になったところで、GA4活用のために取り組める改善策を見ていきましょう。
これら3つの改善策を実施して、GA4を積極的に活用してみてください。
GA4を効果的に活用するには、BtoB製造業において特に重要な3つの基本計測を設定しましょう。
まず、問い合わせフォームの送信完了計測を設定することで、潜在顧客が実際にコンタクトを取るまでのプロセスを追跡できます。これにより、どのキャンペーンやページが最も効果的に問い合わせを促しているかを分析し、マーケティング戦略を最適化することが可能です。
次に、カタログや技術資料のダウンロード計測を行うことで、ユーザーがどの資料に最も興味を持っているのかを把握できます。これらのデータは、製品の特性や顧客のニーズに合わせた資料の改良に役立ちます。
最後に、重要なページ、特に製品ページの閲覧計測を設定することで、ユーザーの関心がどの製品に集まっているかを可視化できます。このデータに基づいて、製品の表示方法やコンテンツを改善し、さらに効果的な販売戦略を構築することができます。
これら3つの計測を適切に設定し活用することで、業務効率の向上と売上の最大化が期待できるでしょう。
BtoB製造業がGA4を最大限に活用するうえでは、特定の指標に焦点を当てることも重要です。製造業では、製品の品質や技術革新だけでなく、デジタルマーケティングの成果を最大化するためにもデータに基づいた戦略が必要です。
特に、毎週確認すべきたった一つの数字としては、以下のいずれかを選ぶとよいでしょう。
これらの指標は、Webサイトのパフォーマンスを具体的に示し、ビジネスの成果に直結するため、定期的なモニタリングが欠かせません。
コンバージョン率は、訪問者がどれだけ実際の顧客行動に結びついているかを示し、マーケティング施策の効果を測定する指標として有効です。一方、資料ダウンロード数は、潜在顧客が提供する情報にどれだけ興味を持っているかを示し、リードジェネレーションの成功を測る基準となります。これらの数字は、GA4の「レポート>エンゲージメント>コンバージョン」セクションで確かめられます。
データ分析により、どのコンテンツがユーザーのエンゲージメントを高めているか、または改善が必要な部分はどこかを把握することができます。これにより、マーケティング戦略やWebサイトの改善点をタイムリーに見直すことが可能になり、結果としてビジネスの成長を促進します。毎週チェックすることで、迅速な対応ができるというわけです。
営業部門とのレポートの共有も、BtoB製造業のGA4の活用には欠かせません。レポートの作成時には、シンプルで理解しやすい内容にすることが重要です。特に、ページ別閲覧数レポートは、見込み客の行動を分析する上で非常に有用です。このレポートでは、どの製品ページがどれだけ閲覧されているかを把握することで、見込み客がどの製品に興味を持っているのか、どの市場が活性化しているのかを視覚的に捉えることができます。
ただし、単に数値を示すだけでは不十分です。営業部門にとって重要なのは、数値の背景にある“気づき”です。たとえば、「今月は〇〇製品ページの閲覧が増加しました」といった具体的なインサイトを共有することで、営業戦略の方向性を明確にし、さらなるアプローチを考案するための材料を提供できます。
また、定期的なレポート共有により、営業部門が常に最新の市場動向を把握し、迅速な意思決定を行えるようサポートできます。こうした情報共有のプロセスを通じて、営業部門とマーケティング部門の連携が強化され、顧客のニーズに迅速かつ的確に応えることが可能となります。
本記事では、GA4の導入後によくある課題や今すぐできる改善策を、BtoB製造業のマーケティングご担当者様向けにお伝えしました。
GA4を導入したからといって、すべてのデータを完璧に分析する必要はありません。まずは、デフォルト設定から一歩進み、BtoB業界特有の重要な行動をトラッキングできるようにカスタマイズしましょう。コンバージョン率、または資料ダウンロード数は毎週チェックし、マーケティング戦略やWebサイトの改善点を迅速に見直すことも重要です。また、マーケティング部門に留まらず、社内で“GA4仲間”を見つけ、組織全体での理解を深め、情報共有していくとよいでしょう。
とはいえ、自社ではGA4に関するノウハウが不足している場合もあるかもしれません。contennaでは、GA4をはじめとするデータを分析・管理できるLookerstudio(レポートツール)を活用したサービスを提供しております。また、上級ウェブ解析士が在籍しており、戦略立案からサイト制作、Google Analyticsを用いたコンテンツの解析まで対応可能です。ご相談は無料ですので、ぜひ一度お問い合わせください!